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なぜ閉園? 集客に苦しむ“悪循環”か 北九州市のスペースワールド

2016年12月16日 19時53分 更新

記者:吉武和彦


  • スペースワールドのジェットコースター=2015年9月、北九州市八幡東区(撮影・野村創)

  • 魚やエビなど約5千匹を氷漬けにしたスケートリンク=11月27日、北九州市八幡東区のスペースワールド(撮影・中原岳)

 来年12月末で閉園を発表したテーマパークのスペースワールド(北九州市)。その理由は「諸般の事情」と明かさないが、大型投資に踏み切れず、さらに集客に苦しむという“悪循環”に陥っていたとみられる。入場者数はピークの24%減となった2012年度の164万人を最後に、13年度から「非公表」を続けている。閉園後についても口を閉ざしたままだ。

 地元の事情に詳しい関係者によると、設備業者の間では、運営を危ぶむ声が漏れていたという。「配電盤の工事など、遊具を維持するのに必要な更新投資を行う時期に来ているのに、工事がまだ行われていないようだ。大丈夫なのか」といった内容という。

 「利益が薄く、コストを切り詰めていた」とみる関係者もいた。

 最近は目玉となる新たなアトラクションの投入も行われていなかった。15年4月の開園25周年に向け、同年3月に運行した新ジェットコースター「タイタンMAX」は、1994年に登場した「タイタンV」の引退に伴うリニューアルだった。

 大型投資に踏み切ったのは08年にさかのぼる。冬場と夏場の集客アップへアイススケート場やプールを計20億円近くかけて相次ぎ整備した。年間フリーパスも大幅値下げしたが、一方で、100人以上いた正社員を半減させるなどコスト削減を余儀なくされた。

 最大の焦点は、閉園後だ。運営を引き継ぐ譲渡先が出てくるのか。

 総面積24万平方メートルでヤフオクドーム(福岡市)3個分超という土地は新日鉄住金が所有する。これを返そうとさら地にするには、アトラクションの解体などで巨額な費用が見込まれる。放置すれば、“ゴーストタウン”になりかねない。

 スペースワールドの親会社の加森観光(札幌市)は閉園については「現地が対応する」とし、スペースワールドも「地域密着型の施設をつくってきたが、閉園は誠に残念」(幹部)とするにとどめている。

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 スペースワールドは「宇宙」をテーマにしたレジャー施設として1990年に開業。ピーク時の97年度には、年間216万人の入場者数を記録した。

 当初は新日本製鉄(現新日鉄住金)が運営していたが、他のテーマパークとの競争激化などで来場客数が低迷。05年に民事再生法の適用を申請した。同年7月に加森観光に経営権が譲渡され、再建に取り組んでいた。

 今年11月には、魚など5000匹を氷漬けにしたスケートリンク上を来場者に滑らせる企画にインターネット上で批判が相次ぎ、中止していた。











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