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ファンや市民は「寝耳に水」 スペースワールド閉園に渦巻く「なぜ」

2016年12月17日 03時00分 更新

記者:野村創


  • 来年末の閉園が明らかになったスペースワールド=12月16日午後、北九州市八幡東区(撮影・押川知美)

 鉄都・八幡に新たな活気をもたらし、多くの人を楽しませてきたテーマパーク「スペースワールド」(北九州市八幡東区)の来年末での閉園が12月16日、明らかになった。記者会見も開かず、ホームページで「通告」された唐突な幕引き。市民やファンは「寝耳に水だ」と戸惑いの声を上げ、観光と集客の拠点を失う市も衝撃を隠せない。四半世紀余にわたり親しまれた北九州のシンボル喪失に、痛手を被る地元からは「納得いく説明」を求める声も漏れた。

 「『北九州にもようやく観光の目玉ができた』と、当時の市職員の喜びは大きかった。残念です」。同市産業経済局の加茂野秀一局長(57)はオープン時を振り返り、肩を落とした。

 1990年、新日本製鉄(現新日鉄住金)八幡製鉄所の遊休地が広がる東田地区に誕生したスペースワールド。ものづくりの街・北九州で当時、「重厚長大な産業都市からの転換」を象徴する施設とされた。

 開業を機に東田地区の再開発は進展。近くの官営八幡製鉄所旧本事務所が世界文化遺産に登録された昨年、同地区の観光客は232万人に上り、市内有数の観光地に成長した。

 「何とか(存続)できないのかという思いもある」。自身も親子で通い詰めたという加茂野局長は割り切れなさを口にした。

 同園はこの日も熊本と沖縄の中学2校の修学旅行を受け入れ、園内には生徒の歓声が響いた。市観光課によると例年、市内を訪れる修学旅行者は約16万人。その多くが同園を利用するという。担当者は「観光への影響は避けられないだろう」と懸念を示す。

 市民やファンも残念がる。福岡市・天神でバスを待っていた佐賀県唐津市の会社員田渕好子さん(44)は「近くを通ると見える宇宙ロケットが北九州のシンボルという印象があった。寂しいです」。長崎県諫早市の大学職員田中俊治さん(46)は学生の頃、絶叫マシンに乗ったことが忘れられない。「ハウステンボスのように復活できないか」と願う。

 スペースワールドは閉園の理由を「諸般の事情」として明らかにしていない。施設周辺の地域活性化に取り組む畠中聡之さん(70)は「寝耳に水でびっくりした。存続できない理由があるのならやむを得ないが、住民が納得できる説明をしてほしい」と求めた。

■スペースワールド 新日本製鉄(現新日鉄住金)が約300億円を投じ、1990年4月22日に開業したテーマパーク。宇宙飛行士の訓練の疑似体験やジェットコースターで人気を集めたが、2005年に民事再生法を申請。加森観光(札幌市)に営業譲渡後は年間フリーパスの値下げや、アイススケート場やプールなど期間限定の設備を売りに「リピーターを取り込む地域密着型」に戦略転換した。12年度の入場者数は164万人。









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