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「地元愛強すぎ」「修羅の国」… 福岡評 ネットに本音!? 移住1年半の記者が迫った

2016年12月21日 11時12分 更新

記者:佐橋史直


 記者になって初めて福岡市に住んで1年半。人や街に慣れてきたこのごろだが、実家のある長野県の友人から気になる言葉を聞いた。「地元の人は暮らしやすいって言うけど実際どう? インターネットとかでは結構、異論もあるみたいだけど…」。人口は155万人を超え、神戸市を抜いて政令市5位に浮上。アジアの観光客も多く活気あふれる都市だけに、友人の言葉が引っかかる。光強ければ影も濃くなるもの。移住者や観光客の目に福岡はどう映るのか。ネットの世界に漂う“本音”をのぞいた。

「福岡好き」96% 価値観を押しつけ?

 「福岡」をキーワードにツイッターなどのソーシャルメディアを検索すると、多く指摘されているのが「地元愛の強さ」。県外出身者と見られる投稿には「福岡愛が強すぎて引く!」などが少なくない。実際、その傾向は強そうだ。市が今年6月に行った居住者対象の調査によると、約2500人の回答者のうち96%超が「好き」「どちらかといえば好き」と答えた。酒席の最後は博多手一本、野球はホークスなど独自の文化や趣向の根付き具合いに私も当初戸惑った。東京から移住してきた飲食店経営の男性(39)に聞くと「この街が一番でしょって価値観を押し付けられるように感じることは確かにある」。

 驚いたのは「日本三大都市に福岡が入っていると勘違いしている」との指摘。「東京、大阪の次って…ワロタw」。どれほどの人がそう思っているかは知らないが、名古屋市出身の転勤族の男性(36)もこのネタを知っていた。「地下鉄など交通網の充実と高層ビルが立ち並ぶ名古屋には、さすがに及ばないと思うよ」

「修羅の国」はちょっと言い過ぎ

 修羅の国−。ネット上で頻繁に使われる福岡を指す言葉だ。私も転勤の際に「修羅の国だから気を付けて」と冗談っぽく言われた。人口千人当たりの刑法犯認知件数は政令指定都市でワースト4位。暴力団絡みの事件も確かに少なくない。でも「修羅の国」はちょっと言い過ぎのような気もするのだが…。

 交通マナーへのマイナス評価はかなり目立つ。「人混みでも押しチャリしない」「体当たりしてくる」「信号を守らない」…。県外出身者からの投稿には「バス停で並ばない」とも。並んではいるが、列が歩道にはみ出し、歩行者の邪魔になっているケースは私も経験がある。

 近年、アジアからの観光客でにぎわう福岡市。だが、県外の旅行者と見られる人からは「観光雑誌の8割はグルメの話題」「観光地って、ほんと太宰府天満宮か福岡タワーしかない!」などの指摘も。天満宮は太宰府市ですから!とツッコミも入れたくなるが、ショッピングやグルメスポットが豊富な一方で、誰もが知る有名観光地がすぐに思い浮かばない。しかし市観光産業課の吉田宏幸課長は「市民が魅力を伝え切れていないだけ。歴史も自然もあり観光地がないというのは誤解」と反論する。

地元愛に実は「おもてなし」の意味も

 ネガティブな福岡評に注目してきたが、やはり多いのはポジティブな意見。「何より食べ物が新鮮。この安さでゴマサバ、他都市では食べられない」「勇気を出して屋台に行った。一人だとみんな声を掛けてくれる」…。ネットでは「ブラックホール説」なる言葉も広がっている。転勤族が福岡に魅了され、ブラックホールに吸い込まれるようにそのまま居着いてしまうという意味。

 生涯学習を通じた街づくりに取り組むNPO法人「福岡テンジン大学」の岩永真一学長によると、実は根っからの地元民は少数派という。時に押しつけがましく感じさせる地元愛の強さは「福岡を大好きになった移住者が、新しく来た人を自分と同じように福岡のファンにさせたいという無意識の行動、つまり『おもてなし』なんです」と言う。一緒にお酒を飲んで福岡愛を語れば打ち解け合える−。実はすでに私も福岡宣伝隊の一人なのかもしれない。










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