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閉園理由、なぜ語らない

2016年12月25日 03時00分 更新

記者:吉武和彦


  • 2017年12月末の閉園が決まったスペースワールド=北九州市八幡東区

  • スペースワールドのホームページに記載された「閉園のお知らせ」。理由は、「諸般の事情」としか書かれていない

  • 閉園の一因として、「土地を保有する新日鉄住金と賃貸契約更新の交渉が不調に終わった」との情報もある=北九州市八幡東区

  • 吉武和彦(よしたけ・かずひこ)
    1971年7月生まれ、北九州市出身。大学を卒業後、福岡市の月刊経済誌を経て、1999年9月西日本新聞社に入社。経済部、宇佐支局(大分県宇佐市)、経済部、東京報道部、北九州本社編集部から、2015年8月にqBiz編集長に。「ガラケー」を使いこなすが、今回の異動を機にスマートフォンの練習を始める。

 テーマパーク、スペースワールド(北九州市)はなぜ閉園理由を説明しないのか。開園から四半世紀がすぎ、幹部は「地域密着型の施設をつくってきた。閉園は残念」とするのに、その理由は「諸般の事情」とホームページ(HP)に記すのみだ。記者会見もなく、地元の「なぜ」に答えきれていないのではないだろうか。

 親会社の加森観光(札幌市)は「対応はすべて現地で行う。ここでは分からない」と繰り返すのみ。

 ところが、「現地」の園担当者に聞いても、「経営難が理由ではない」とするばかりで、詳しい理由は「HPに記した通り、諸般の事情」にとどめる。

 「土地を保有する新日鉄住金と賃貸契約更新の交渉が不調に終わった」との情報もあるが、園側は「ノーコメント。もろもろの調整が付かなかった」とするだけだ。

 ■国の「観光カリスマ」 手腕に期待大

 1985年以降の円高不況下、当時の新日本製鉄(現新日鉄住金)が多角化の一環で、エンターテインメント産業への参入を決めたのがスペースワールドだった。

 自社の八幡製鉄所跡地に「宇宙」をテーマにした一大レジャー施設を建設。開園した90年はバブル景気のさなかだった。

 バブル崩壊後も入場者数は増加傾向をたどった。97年度は初年度(185万人)比16%増の216万人に上った。

 だが、これがピークだった。

 他のテーマパークとの競争激化などで入場者は低迷し、経営難に陥った。2005年5月に民事再生法を申請して負債を整理した上で、同7月、加森観光に経営を引き継いだ。

 その前年。加森観光の加森公人社長は、経営が悪化したリゾート施設を再生させてきたとして、国土交通省から「観光カリスマ」に選定されていた。それだけに、経営手腕には大いに期待が集まった。

 ■突然サヨナラ、そのまま最後?

 経営承継後、加森観光は「入場者140万人でも利益が出る態勢に」と、リストラを断行。08年度は、100人以上いた正社員を半減させた。

 一方、大型投資にも踏み切り、冬場と夏場の集客アップへアイススケート場やプールを計20億円近くかけて整備した。

 アクセルとブレーキを使い分けながらテコ入れした結果、入場者数は07年度(147万人)で底を打ち、12年度は164万人に回復した。

 ただ、それでもピークに比べると、24%減だ。さらに13年度以降の入場者数は「非公開」とし、詳しい内容は分からない。

 レジャー施設の「再生」で名をはせた加森観光だが、もし、スペースワールドの閉園が「経営難」だとすれば、「カリスマ」のブランド価値が下がりかねない。










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