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世の中のお金「100兆円」の謎 “消えた旧札”はどこに

2016年12月29日 03時00分 更新

記者:竹森太一


  • 世の中に出回るお札の総額が初めて100兆円を超えた

  • 竹森太一(たけもり・たいち)
     1969年8月生まれ、福岡県太宰府市出身。社会部デスク、選挙対策本部事務局長、北九州経済デスク、官邸キャップ、福岡県政・北九州市政の両キャップの他、軟らか系「もっと九州」面の立ち上げデスクまで、硬軟幅広い分野を担ってきた“便利屋”記者。
     2016年9月から東京報道部・経済デスク兼務で日銀、兜町などをウォッチ。趣味は靴磨き。

 世の中に出回るお札の総額が初めて100兆円を突破したという。日銀によると、12月20日時点で100兆4661億円で、11月末の97兆4298億円から約3兆円増えた。

 《日銀が今年1月に導入を決めた「マイナス金利政策」による預金金利のいっそうの低下で、自宅で現金を保管する「たんす預金」が増えている》

 《現金自動預払機(ATM)の時間外利用などで手数料を取られることを避けるため、現金保有が広がっている》

 一般的な解釈はこんなところか。そもそも日本は諸外国に比べ「安全」で、現金の流通量が多いお国柄。手元に現金を置くことへの抵抗感も相対的に低い面がある。

 しかし、日銀のある幹部は「それにしても、世の中にあるお札が多すぎる」と首をひねる。実は、日銀が2007年に流通を止めた古いお札「D券」が、かなりの額、日銀に戻ってきていないと教えてくれた。

 1万円札でいえば、現在の「E券」は、表面に見る角度によって文字などが変化して見える「ホログラム」があり、裏面は鳳凰(ほうおう)像。「D券」は表面にホログラムがなく、裏面は2羽のキジだ。(日銀は発効順を表すため、お札をABCDEの記号で区別。現在発行されているお札は、戦後5番目の発行ということで「E券」と呼ぶ)

 調べてみると9月末時点で世の中には計89・1兆円の1万円札が出回っているが、このうち8・2%に当たる7・3兆円はD券とC券(1986年支払い停止、表面に聖徳太子)だった。

 “消えた旧札”はどこにあるのか。「たんす預金」として眠っているのか。

 日銀も「説明は難しい」(広報)という謎だが、行内にはこんな声も。

 《金融システム不安や2005年4月のペイオフ解禁で、少なくない高齢者が定期預金を取り崩し「たんす預金」で保管、その後亡くなり、布団の間に隠されたまま捨てられたり、竹やぶに埋めたまま忘れ去られたりしているお札も多いのではないか》

 真実はいかに。事実であれば、もったいない話だ。










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