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こけし容器は「世界」のため 福岡ヤクルト工場

2017年01月11日 03時00分 更新

記者:吉田修平


  • 福岡ヤクルト工場で包装されたヤクルトをチェックする作業員(撮影・岡部拓也)

  • 1基でヤクルト30万本分の原料液が貯蔵できるタンク。工場内に15基ある(撮影・岡部拓也)

  • 福岡ヤクルト工場で製造している4種類のヤクルト

1日100万本超を製造

 乳酸菌飲料が好きだ。風呂上がりの一杯は、ビールでなくても良い。甘さと酸っぱさのハーモニーが私をとりこにする。特に「ヤクルト」は、幼いころから飲んできた。今はどのように造られているのか、現場を見ることができる。しかも無料で、試飲まで。福岡県筑紫野市にある福岡ヤクルト工場を訪ねた。

 ■製造翌日に出荷 

 建物の入り口に胸像がある。乳酸菌の強化培養に成功し、ヤクルトを生んだ故代田稔博士の功績をたたえている。この人なくして、ヤクルトは飲めなかったのだ。愛飲者の一人として、背筋がピンと伸びた。

 同工場では「Newヤクルト」をはじめ、糖質・カロリーを半分に抑えた「Newヤクルトカロリーハーフ」などヤクルト4種を製造。九州など西日本各地に届ける。意外だったのは、製造日に出荷せず、翌日まで留め置くことだった。

 案内された実験室のような場所で、理由が分かった。製品に混入してはいけない微生物の有無を調べる装置と、乳酸菌がどれだけ生きているかを調べる装置が並んでいる。原料液や製品の一部を抽出し、1日に4〜5回検査を実施。検査結果が判明するまで、出荷はできないのだ。

 工場総務課の尾中美香さん(34)が教えてくれた。「Newヤクルトには、乳酸菌が1本当たり200億個いる。腸まで届き、健康に役立つためには検査が欠かせない」

 ■温度管理を徹底 

 見学者用通路に立つと大きな金属製タンクが現れた。ヤクルト本社佐賀工場(佐賀県神埼市)から運ばれてきた原料液を貯蔵している。ヤクルト30万本分の原料液が入るタンクが15基。ピカピカに輝き、整然と並ぶ様子はSF映画「スター・ウォーズ」の一場面のようだ。

 通路を挟んだ反対側では目の前をヤクルト容器が高速で流れる。長さ45メートル、幅27メートルの部屋に製造ラインが4本。1秒間に12〜13本を充填(じゅうてん)、ラベルを貼り、封をして製品化する。1日に100万〜150万本を製造。乳酸菌の働きを維持するため、製品の温度は店頭に並ぶまで10度以下に保っている。

 ■容器の形に秘密 

 ヤクルトの歴史などを紹介する部屋では、壁一面に容器が並ぶ。ラベルには外国語表記も。日本のほかにも韓国、タイ、ブラジルなど32カ国・地域で販売されている。現地で使う水の違いから、味は微妙に異なる。

 容量やパックの本数も国や地域で異なる。日本のNewヤクルトが1本65ミリリットルなのに対し、中国、シンガポール、台湾では100ミリリットル。ただ、独特の形をした容器は世界共通という。

 ヤクルトは当初、瓶で販売されていたが1968年から現在の容器になった。日本らしさを出すため「こけし」をイメージした。「メード・イン・ジャパン」が世界の人々の腸内環境を支えている。誇らしい。

 くびれた形状には「一気に飲み干さず、ゆっくり味わって」との思いが込められている。

  ◇  ◇   

 九州には食品や機械など数多くの工場があります。一般向けに見学を実施している工場の生産現場や名人級の技術を持つ作業員らを紹介する新企画「工場見学のススメ」が西日本新聞でスタートしたのを機に、qBizでは、さらに工場にまつわるオリジナルの写真や記事を加えた【拡大版】の掲載を始めました。










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