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「ゆく年くる年」の神社で初詣

2017年01月08日 03時00分 更新

記者:木村貴之


  • 拝殿前に多くの参拝客でつくる太く長い列ができた加藤神社。NHKの年越し番組「ゆく年くる年」のロケ地になり、年越しの光景は全国に紹介された。

  • 加藤神社の境内から間近に望む天守閣(右)と宇土櫓。屋根瓦がはがれ落ち、外壁には亀裂が入り、その痛々しい姿に絶句する参拝客は少なくない。

 旧年の感謝を捧げ、新年の平穏を祈願する初詣。ほぼ毎年欠かさず正月に訪れているが、今年は全く趣が違った神社がある。熊本城(熊本市)の城郭の一角にある加藤神社。大みそかのNHK紅白歌合戦では、神社近くの城内が白組の演歌歌手、氷川きよしさんの熱唱の舞台となり、続く年越し番組「ゆく年くる年」では神社がロケ地として登場。いつもの神社でいつもと違う初詣になった。

 それもそのはず。熊本城は、昨年4月の熊本地震で甚大な被害を受けた。約98ヘクタール(ヤフオクドーム約14個分)の城郭に点在する櫓(やぐら)など13の国重要文化財や、天守閣など20の復元建造物がひどく損壊し、石垣は総表面積約7万9千平方メートルのうち約3割が崩壊。市の試算では、被害総額は約634億円、全面復旧まで約20年の歳月を要する。年間約170万人が訪れる県内屈指の観光スポットでもあり、その打撃の大きさは計り知れない。

 加藤神社は、その名の通り、約400年前に熊本城を築き、熊本の礎をつくった加藤清正が主祭神。1871(明治4)年の神仏分離令で、清正の菩提寺となる本妙寺から社殿が城内に移され、宇土櫓前で創建された。

 私と神社との出合いは30年以上前の大学浪人時代にさかのぼる。城近くの予備校に通っていた私は、仲間と授業をさぼって城内でソフトボールをしたり、夜の神社境内で肝試しをしたり、体を夜露で湿らせながら二の丸広場で物思いにふけったりと、城郭一帯を遊び場にしていた。そんな罰当たりな行動への罪滅ぼしと親近感からか、社会人になって以来、毎年の初詣先に決めているわけだ。


木村貴之(きむら・たかゆき)<br />
1994年に西日本新聞社に入社。筑豊総局、経済部、玉名支局、地域報道センター、八代支局、こどもふれあい本部などを回り、2016年9月、荒尾支局から本社デジタル編集チームに。好きな音楽はレッド・ツェッペリン「貴方を愛し続けて」、エゴ・ラッピン「色彩のブルース」、里見洋と一番星「新盛り場ブルース」など。









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