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魅惑のブラックホール説をひもとく「福岡スタイル」が再び始動

2017年03月12日 03時00分 更新

記者:吉武和彦


  • 立ち飲み屋が多いJR赤羽駅前では「均一居酒屋チェーン」の看板も目立つ=2011年、東京都北区

  • 東京・新宿には地方出身の若者が集まるの居酒屋も=2014年

  • 福岡の焼き鳥店では生キャベツも一緒に出てくる

  • 観光客の人気も高まっている福岡市の屋台=福岡市博多区(撮影・三笘真理子)

  • 吉武和彦(よしたけ・かずひこ)
    1971年7月生まれ、北九州市出身。大学を卒業後、福岡市の月刊経済誌を経て、1999年9月西日本新聞社に入社。経済部、宇佐支局(大分県宇佐市)、経済部、東京報道部、北九州本社編集部から、2015年8月にqBiz編集長に。「ガラケー」を使いこなすが、今回の異動を機にスマートフォンの練習を始める。

 東京・新橋のガード下に並ぶ居酒屋。週末の夜ともなると、スーツ姿のおじさんたちでごった返す。その混雑ぶりは、後ろの席の客と背中が触れ合うほどだ。モツ煮やマグロの刺し身をさかなに、ホッピー(麦芽発酵飲料)で割った甲類焼酎で乾杯する。

 東北の吟醸酒などにも手を出し、さんざん飲んで、さて、お会計。幹事から「一人8000円でーす」。えっ、新橋ってサラリーマンの味方じゃなかったのか…。

 芋焼酎のロックを頼めば、店員からまるで高級ウイスキーのように「ツーフィンガーで800円」などと言われる。

 安く飲むにはもう、上野の立ち飲み屋で足をふらつかせながらもぶれずにホッピーで割った甲類焼酎をあおり続けることだ。

 今から10年前。4年半に及んだ東京勤務時代の私の実体験。自分自身も含めて酒臭いおじさんたちでぎゅうぎゅう詰めになった帰りの深夜の常磐線で、いつも思った。

 「早く福岡に帰りたい…」

 ■芋焼酎ロックは驚きの安さ

 毎年7万〜8万人の転入者を迎える福岡市。その4割近くが3〜4月の春の異動シーズンに集中する。

 この春、東京や大阪から転勤や就業で初めて福岡で生活するという方々も少なくないだろう。

 どんな街なのか。

 多くの店では、甲類焼酎はまず飲まない。ホッピーもほとんど置いていない。

 しかし、芋焼酎のロックはグラスになみなみ注いでくれて400円とか500円とか。東京価格に比べたら、その安さにまずは驚くことだろう。

 焼き鳥屋なのに、豚バラが人気。「お通し」のように、焼き上がりを待つ間に出てくる生キャベツは、酸味のあるタレがかかっていて、口直しにもちょうどいい。

 住居費も、家賃の相場は東京に比べて安いため、職場の近くに住むことができるだろう。タクシーでも帰れるため、飲み会が終わるのは午前様になりがちだ。

 アジアの都市の光景をほうふつとさせる屋台街では、隣のおじさんから「どっから来たと?」と博多弁で話しかけられ、友達になることだってあるかもしれない。

 私は朝の通勤バスの二人がけ席で隣のおじさんから旧知の友人のように話しかけられ、会話が盛り上がったこともある。

 ■「もう本社に帰りたくない」

 「暮らしやすい」「食べ物もおいしい…」。そうして転勤してきたサラリーマンを優しくとりこにし、本社に帰りたくなくさせる魅惑の「ブラックホール」説までささやかれる街が福岡だ。

 実際、「帰ってこい」とする本社の命にも従わず、「帰りたくない」と、ずるずる勤務を延ばしているIT会社勤務の40代男性を私は知っている。理由は「(プロ野球)福岡ソフトバンクホークスがあるから」だった。

 この春、福岡に着任された方々に、ぜひ、福岡ライフを満喫していただきたい。そんな願いを込めて、福岡の魅力と魅惑をひもとく人気連載「福岡スタイル」を今年も始めました。(⇒こちら

 初回は「『うまかろーが』と迫る上司に覚悟を 福岡人、“発祥”には強烈なこだわり」。










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