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台湾から250億円の義援金が届いた背景は 東日本大震災から6年で小説に

2017年03月21日 13時24分 更新

記者:中川博之


  • 「台湾がどういう所か伝えたかった」と語る木下諄一さん

 なぜ、台湾から200億円を超える義援金が東日本大震災の被災地に届けられたのか−。悲しみに暮れる被災者を励ました台湾の人々の物語「アリガト謝謝(シエシエ)」(講談社)を台北市在住の作家、木下諄一さん(56)が出版した。「6年前、台湾で何が起き、どんな思いで募金活動が行われたのか、日本人に知ってほしい」と実話を基に小説化。日本と台湾の歴史、人助けが好きな台湾人気質、普段の生活などを織り交ぜ、台湾そのものを伝える作品に仕上げている。(台北・中川博之)

日本も99年救助隊派遣 「謝謝」の交流描く

 台湾では2011年3月の震災翌日から各地で募金活動が展開された。外交部によると、集まった義援金は250億円余り。日本の5分の1に満たない人口約2350万人の台湾から寄せられた大きな支援は、被災地の住宅や病院の再建、生活支援に充てられた。

 木下さんは震災から約2年半後、被災者が台湾について知りたがっていると聞き、募金活動を通して日台のつながりや台湾人の考え方、暮らしぶりを伝えようと構想を練り始めた。

 小遣いから毎日1元(3・7円)ずつ募金した小中学生、被災者に毛布を手渡したボランティア…。30人以上に募金の理由を尋ねて回った。目立ったのが、2400人余りの犠牲者が出た1999年の台湾大地震の当日に救助隊を派遣した日本への恩返しとして募金活動した人たち。東日本大震災の翌朝、台北市の日本人事務所の玄関口に見舞いの花が置かれ、職員が見知らぬ台湾人女性から励ましのおにぎりを手渡された話には胸が熱くなった。

 1895〜1945年に日本が台湾を統治し、72年の日中国交正常化に伴う断交後も民間交流が続く日本と台湾。「日本統治時代を懐かしむお年寄り、アニメ好きの若者、質の高い日本製品や勤勉さ、礼儀正しさに憧れる人など日本を好きな人がとにかく多い。日本相手でなかったらこれほどの寄付金は集まらなかった」と木下さんは言う。

 取材では、台湾人に感謝する日本人の話も聞いた。3日間の売上金を全て被災地に寄付した台湾のパン店では、来店した初老の日本人男性が店主に深々と頭を下げ続けた。インターネットの交流サイトで資金を募り、台湾の大手紙に義援金に対するお礼の広告を出した日本人女性は、台湾訪問時に関係者から「アリガト」と声を掛けられ「謝謝」と感謝の気持ちを伝えた。

 30年近く台北市内で暮らし「半分は台湾人」という木下さん。「いつか中国語版を出版し、多くの台湾人に日本人の感謝の気持ちを伝えたい」










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