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「保育園落ちた!!!」今年も変わらぬ現状

2017年04月20日 03時00分 更新

記者:新西ましほ


  • 新西ましほ
    鹿児島市出身。2006年入社、日田支局、長崎総局、生活特報部を経て14年5月から東京支社報道部。男女共同参画や少子化問題などを担当。趣味の食べ歩きを満喫するため、ベリーダンスを始めました。現在は、第1子出産のため産休中。

 「保育園落ちた」「仕事辞めるしかないかも」―。今年も2月から3月にかけて、友人たちからこんな連絡が相次いだ。

 1年前、「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名ブログが大きな反響を呼んだ。国会では待機児童問題が大きく取り上げられ、国や自治体は解消に向け手を打っているが、少なくとも都内は厳しい状況に変わりはない、と痛感している。

 入園をめぐる激しい競争の末、今や、子どもを保育園に入れるための「保活」は妊娠前から始まっている。

 4月入園の申し込みは11〜12月に行われるため、早生まれの子は申し込めないケースがほとんど(一部自治体は妊娠中から申し込める)。このため、妊娠に向けて心身の準備を整える「妊活」を、早生まれを避けるために行った、という友人も少なくない。

 ■入園者に共通するある事情

 1月末に出産した私の場合は、年度途中の奇跡的な「空き」に期待するか、認可外保育園に預けるしかない。

 ところが、そんな見立ても甘かった。子どもが生後1カ月を過ぎ、外出できるようになって早速保活を始めた時だった。なんと、認可外も順番待ちだった。入園先がなければ、仕事に復帰できない。匿名ブログの発信者と同じく、私も不安が募る。

 保育園は、各世帯の「点数」が高い順に入園できる。親の勤務時間など、子どもを預ける必要性が数値化され、加点されたり、減点されたりする仕組みだ。

 ただ、待機児童が多い都内では、夫婦ともにフルタイム勤務の世帯同士の競い合いになるケースが多く、「必要性」に差がつきにくい。

 そこで、注目されるのが、「別の要素」だ。

 今年4月、子どもが保育園に入園できた友人の多くにある共通項があった。育休が終わるのを待たずに、認可外保育園に子どもを預けていた。

 「本当はもっと子どもと一緒にいたかったけれど仕方ない…」と、本音を漏らしつつ、なぜ、認可外に預けてでも仕事復帰を急いだのか。そこには、ある事情があった。

 「認可外加点」。保育園に入る前に、認可外保育園に入っていれば、点数が上がるというものだった。

 さらに、加点のために事実婚にしている人や、減点されないために実際は親と同居しながら、別のところに住民票を移している人までいた。

 ■多くの復職がかかった入園

 「区役所に窮状を訴える手紙を書くと有利らしい」「区議にお金を包む人もいるようだ」―。そんなわけないでしょ、と突っ込みたくなるようなうわさも、同じ時期に出産したママたちの間で頻繁に耳にする。

 同じ日に同じ病院で出産した縁で仲良くなった女性2人は、出産前はそれぞれ外資系企業と金融機関でバリバリ働いていたという。

 しかし、1人は今年4月の入園に“落選”し、もう1人は保活の厳しさを目の当たりにして、仕事復帰をほとんど諦めているという。築いてきたキャリアを失うのは、本人にとっても、社会にとっても大きな損失になるはずだ。

 「何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ」。そうつづった匿名ブログは、たくさんの人たちの思いを今もなお代弁していると思う。

 2017年度末までに待機児童をゼロにするという政府目標について、安倍晋三首相は国会で「非常に厳しい状況」と述べ、達成は困難との認識を示した。そうだとしても、6月に策定する新プランには、現状を打開する案を盛り込んでほしい。多くの人々の「復職」がかかっているだけに、切に願っている。










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