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【会計のキホン】(4)決算発表にはいったい何日かかるのか?

2017年07月05日 03時00分 更新

記者:溝口聖規氏



  • 溝口 聖規(みぞぐち・まさき)グロービス経営大学院 教員
     京都大学経済学部経済学科卒業後、公認会計士試験2次試験に合格。青山監査法人(当時)入所。公開企業の法定監査をはじめ、株式公開(IPO)支援業務などに従事。複数の大手監査法人を経て、溝口公認会計士事務所を開設。現在は、管理会計(月次決算体制、原価計算制度等)、株式公開、内部統制、企業評価等に関するコンサルティング業務を中心に活動している。



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 会社が決算をまとめて、外部に公表するのに要する日数は、どれくらいだと思いますか。

 まず、決算処理にどんな手続が必要になるか、ざっくりと確認してみます。

 決算処理の例を挙げると、売上高の集計、費用の集計、たな卸資産の確定(実地棚卸含む)、固定資産の減価償却計算、原価計算、引当金や評価損(減損)の見積もり等々です。

 費用の集計1つをとっても、従業員数が多くなるとその分、作業に時間がかかりますし(決算期末に経理部門から経費精算をせかされた経験がある人もいるのではないでしょうか?)、業績が悪い会社は減損損失の検討等に時間を要します。

 また、連結決算では連結対象会社数が多くなれば、その分、手間と時間を要することは想像に難くないと思います(海外子会社となるとさらに手間と時間がかかります)。

 詳述は避けますが、決算書の作成には、結構な手間と時間が必要となることはお分かりいただけたと思います。

 そのため、コンピュータシステムや人員を含む管理体制の強化にリソースを投入できる会社が、決算を早期に発表できるともいえます。

 また、決算発表の対象は、B/S、P/L、キャッシュ・フロー計算書などの財務諸表だけではなく、セグメント情報などの財務諸表や業績に関連する決算資料の作成、前期比や予算比との比較分析も必要になります。決算短信には来期の業績予想も含まれます。

 さらに、決算発表に併せて外部アナリスト向けの決算説明会を実施する会社は、決算説明会用の資料作成も必要になります。

 したがって、早期に決算発表できる会社は株式市場からもその管理体制が高く評価されています。

 以上のようなことを踏まえると、上場会社の決算発表にはどの程度の日数が必要となるでしょうか。

 ■早期発表は株主、投資家から高評価

 4月の新年度を迎えて、あみやき亭のように4月1日、すなわち1日で決算発表をする稀有な会社もありますが、昨年の実績(2016年3月期)では、3月決算会社約2,450社のうち、4月20日までに決算発表した会社が10社あります。

 4月20日以降、1回目のピークであるGW前(4月30日まで)までに決算発表した会社が約380社、2つ目のピークのGW明け発表会社(5月10日まで)が約450社でした。5月10日以降、5月中旬(5月15日まで)には約1,400社が決算発表しました。

 前回「会社の決算書って何種類あるの?!」で説明しましたが、東京証券取引所が45日以内の決算発表を推奨していることが影響していると思われます。

 その結果、決算日後45日以内に決算発表した会社は全体の約95%となっています。中でも、全体の約25%に当たる約750社が、45日以内で平日の期限となる5月13日(金曜日)に決算発表をしました。

 決算発表を早くすることは、会社の管理体制をアピールするだけでなく、株主、投資家にとっては会社の業績と来期の業績予想をいち早く把握することにより投資意思決定に生かせることにもなりますので、株主、投資家からの評価も高まります。

 一方で、最近は株主、投資家に業績の分析、検討に十分な時間を提供するために、決算発表が特定の時期に集中するのではなく分散化が推奨されています。

 皆さんの会社はいつ決算発表をしているか、チェックしてみてはいかがでしょうか。














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