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「小便に血が混じるプレッシャー」 福岡の財界を動かす高校人脈

2017年05月24日 03時00分 更新

記者:吉武和彦






■市の三役人事さえ変える人脈

 実際、福高OBは、こんな体験談を披露した。

 「EXILEの曲の作詞などを手掛ける音楽プロデューサーの松尾潔さんと話す機会があった。松尾さんは福岡県出身と聞いていたので、どこの高校ですかって尋ねると、『修猷館です』と返ってきた」

 その時、福高OBは「母校の名を伝えなかった」という。理由は、高校間に潜むライバル心を刺激したくなかったからではない。

 「伝えても、そこから話が進まないと思ったから」だった。

 肉眼では見えない学閥の“壁”。逆に言えば、学閥内の絆は固く、「母校の先輩たちの集まりで講師役を務めると、謝礼が通常の2倍になった」という関係者のケースも紹介されたほどだ。

 ただ、そんな高校人脈も、警戒が必要な場合があるという。

 「司会役に徹する」として会に同席していたはずのもう1人の修猷館OB(50代)が急きょ参加。ある政治家の名前を挙げた。

 「あの人の『後輩』とは言いたくない。付き合えば、やばいことになりそうというセンサーが働く…」

 これを機に、面々から政界、官界の生々しい証言が相次いだ。

 ある市の三役人事。「予定者は福岡県内の高校を卒業していたが、4地域で見ると別の地域の学校だったため、反対意見が続出。結局、市と同じ地域にある高校出身者に変えられた」

 別の市では、市長選だ。「高校OBたちが『母校出身の市長をつくろう』と動いている」と明かす。

 “怖い”ほどの強いつながりだが、「同窓会があると、チケットを売りさばかないといけない」「ノルマがきつい」…など、悩みも深い様子だ。

 それでも母校への愛は深く、福岡OBはこんな話を紹介した。

 「今年は創立100周年。これまで卒業生で記念講堂を作ろうと寄付金を集めてきたが、(昨年10月の)大隅さんのノーベル賞受賞を機にお金の集まり方が飛躍的に良くなった。現時点で目標額の数億円に迫っている」

 実は、福岡高校には、中村哲さんも卒業生にいる。アフガニスタンでの医療活動などに取り組む非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表で、今後、2人目のノーベル賞(平和賞)受賞が期待されている。

 その話に及ぶと、「司会役」のはずの修猷館OBは「2人もノーベル賞が出たら、もう勝てないよな…」と漏らした。

 その発言に、一同は引いたようだ。大隅さんのノーベル賞受賞後もなお、「母校がリードしている」という認識を披歴してしまったからだ。

 確かに、元総理大臣の広田弘毅をはじめ、政財官を中心に社会に影響を与えた修猷館OBは少なくない。

 嘉穂OBが打ち明けた。

 「東京に勤務し、財務省を担当した記者時代。母校の先輩を探したが、見つからなかった。でも、修猷館の出身者はたくさんいた。そこで、同じ福岡県人として親しくさせてもらった」










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