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「共謀罪」採決強行 自公維が賛成可決 衆院法務委

2017年05月20日 03時00分 更新

記者:入江剛史


  • 野党議員らが委員長席に詰め寄る中、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を可決した衆院法務委=19日午後

 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の修正案は19日の衆院法務委員会で、自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決された。与党は審議時間の目安とする30時間に達したとして質疑を打ち切り、採決を強行した。審議継続を求めていた民進、共産両党は猛反発し、委員会室は騒然となった。 

 政府、与党は23日の衆院本会議で可決、参院送付し、24日の参院審議入りを目指す。今国会成立を確実にするため、6月18日までの国会会期の延長を視野に入れている。

 この日の審議で、金田勝年法相は「テロを含む組織犯罪の実行着手前の摘発が可能になり、未然に防止できる」と強調。共産党の藤野保史氏は「捜査対象に接触したあらゆる人が監視対象になる。共謀罪は人権侵害につながる」と批判した。採決時には民進党議員らが鈴木淳司委員長(自民)を取り囲み、怒号が飛び交った。

 採決後、金田氏は記者団に「集中的に審議し、結論に至った。努力を重ねて誠実に対応してきた」と強調。菅義偉官房長官は記者会見で「野党にも幅広く支持をいただけるよう丁寧な説明を尽くしてきた。今後も十分な審議を頂き、できるだけ早く成立させたい」と述べた。政府は、「共謀罪」法案は国際組織犯罪防止条約締結に必要と説明している。

 これに対し、民進党の逢坂誠二氏は「政府案を右から左に通すことだけに与党はきゅうきゅうとしている。チェック機関でも何でもない」と批判。民進、共産、自由、社民の野党4党は大島理森衆院議長に対し、採決強行は認められないとして、法務委に法案を差し戻すよう申し入れた。

 「共謀罪」法案は、テロ組織や暴力団などの「組織的犯罪集団」の構成員ら2人以上で犯罪を計画し、うち1人以上が現場の下見などの準備行為をした場合、計画した全員を処罰可能とする。277の犯罪を対象としている。

 自民、公明両党と維新の修正案は本則に「取り調べやその他の捜査について、適正確保に十分に配慮しなければならない」と明記。付則には、取り調べの録音・録画(可視化)と、衛星利用測位システム(GPS)を活用した捜査の検討を盛り込んだ。 

共謀罪 日本が2000年に署名した国際組織犯罪防止条約は「重大な犯罪の合意」などを犯罪とするよう義務付けている。政府はこれを根拠に03〜05年に3度、共謀罪の新設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を国会に提出。しかし600以上の犯罪が計画段階で処罰可能となり、市民団体などにも適用される恐れがあるとして批判が高まり、いずれも廃案となった。政府は適用対象を組織的犯罪集団と規定し、犯罪の準備行為を構成要件に加えた改正案を今国会に提出した。
国際組織犯罪防止条約 国際的な組織犯罪を防ぐため、各国がそれぞれの刑事司法制度を整備し、協力を促進するための条約。重大な犯罪の合意やマネーロンダリング(資金洗浄)などを犯罪とするよう義務付けている。2000年に国連総会で採択され、日本も署名。187の国・地域が既に締結している。政府はテロの未然防止や各国との円滑な捜査協力を理由に早期の締結を目指している。条約の目的はテロ対策ではなく、マフィアなどによる経済的な犯罪の防止との指摘もある。









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