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「歴史をつくり出す大きな節目」 連合・神津里季生会長(4月29日)

2017年05月26日 03時00分 更新

記者:塩塚未


  • 連合の神津里季生(こうづりきお)会長

 連合の神津里季生(こうづりきお)会長は、「歴史」という言葉を好んで使う。

 都内で4月29日に開かれたメーデー中央大会のあいさつもそうだった。

 「私たちは働くことに関わる新たな常識と歴史を、働く者自らの手で作り出していく大きな節目に立っている

 大仰な感じがする言葉だが、そう強く宣言した背景には、政府が3月にまとめた残業の上限規制がある。

 政府の働き方改革実現会議は3月28日、残業に初めて罰則付きの上限規制を設けることを柱にした実行計画をまとめた。

 「残業の上限規制」は、連合の悲願だった。

 それだけに、経団連と計画の中身を詰める場面となった3月13日の労使合意の後も、神津氏は「労働基準法70年の歴史の中で非常に大きな改革」と報道陣に強調していた。

 確かに、労働環境は働く者にとって大きく前進したといえるだろう。現在は、労使協定を結べば青天井の残業が認められている。

 とはいえ、これだけ「歴史」「歴史」と成果を強調されると、ある批判を意識しているのでは、と思えてしまう。それは。

 ■ほぼ過労死ライン

 今回の規制には、過労死遺族から「過労死の基準を合法化する内容」と批判を受けている。

 実行計画に盛り込まれたのは、残業は「月45時間、年360時間」を原則的上限と規定。そこに、特別な労使合意があれば上限を「年720時間」とし、「繁忙期は月100時間未満」、「2〜6カ月の平均で月80時間以内」とするものだ。

 この「特別」の内容は、過労死ラインとほぼ重なる。

 脳・心臓疾患に関する労災認定基準は「1カ月でおおむね100時間、2〜6カ月で平均80時間の残業」が一つの目安とされ、過労死遺族が批判する理由となっている。

 なぜ合意したのか。

 それは、安倍晋三首相が「(労使で)合意ができなければ、残念ながらこの法案は出せない」とする“圧力”があったためだ。

 悲願の「上限」を実現させるため、連合は「この機会を逃がすわけにはいかない。少々の批判は覚悟している」(幹部)と「100時間」をのんだ。

 ただ、神津氏にも、譲れない一線があった。

※次ページ(会員限定)は「『悪用』を許す余地」










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