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大分でバス事故が続くワケは? 九州運輸局が運行会社に注意喚起

2017年06月19日 03時00分 更新

記者:森亮輔


  • 2012年4月の関越道高速ツアーバス事故では7人が犠牲になった(資料写真)※本文と写真は直接関係はありません

 大分県内でバスが絡む事故が後を絶たない。公的な統計はないが「例年より事故が多い印象だ」と県警交通部幹部。軽微な接触事故がほとんどだが、一歩間違えれば大惨事となりかねない。バス側の過失ばかりではないものの、多くの市民が利用する公共交通だけに、九州運輸局大分運輸支局は主要バス会社に注意を喚起した。なぜ、大分の路線バスの事故は多いのか−。背景に「運転手の人手と経験が不足している」と指摘する関係者もいる。

 「人手と経験不足」指摘も

 県警の発表をもとに西日本新聞が集計したところ、バスが絡む路上での交通事故は4月に9件、5月6件、6月に入っても12日時点で3件が発生し、2カ月半で計18件に上る。そのうち、不注意や確認不足などバス側に過失があるとみられるのは8件だった。

 バス側に過失があるとみられる事故の内容をみると▽交差点で左折中に右隣の車線にいた普通乗用車と接触▽すれ違いざまに停車中の軽乗用車に接触▽同じ方向に進行中の隣の車線にいた普通乗用車と接触−などがある。通行人をはねたり重傷者が出たりした事例はないが、急ブレーキのはずみで乗客の女性が車内のポールに顔をぶつけ、打撲を負ったケースがあった。

 相次ぐ事故に大分運輸支局は4月下旬、大分交通(大分市)、大分バス(同市)、亀の井バス(別府市)、日田バス(日田市)に対し、管理職との面会や電話で「乗務員に対する適切な指導監督の徹底をお願いする」と要請した。

   ◇    ◇

 「ありとあらゆる安全対策を講じているのが実情だが…」。大分交通の蛯谷憲治乗合課長は嘆く。

 同社は、基本的に全ての事故の状況や原因を図面化し、全運転手に提示する。2016年12月からは従来1人の指導教官を2人に増やし、事故の防止指導を強化。大分バスも事故の分析のほか、発進時や運転交代時などに車内外に目をこらす「3秒ルール」を徹底している。

 さらに、両社とも「(レストランの格付けをする)ミシュランガイドのバス版」という日本バス協会(東京)による安全性評価の認定事業者だ。それでも事故が多発している。「基本に忠実であれと口酸っぱく言い続けるしかない」。大分バスの橋本憲康営業所統括は言い聞かせる。

   ◇    ◇

 「大型車の運転経験がない新入社員が増えているんだよ」。あるバス会社の労働組合幹部は明かす。別のバス会社幹部も「かつてはトラック運転経験のある人が応募してきたが、今は少ない」と言う。

 バス業界は待遇面や厳しい勤務で慢性的な人手不足に悩み、大分も例外ではない。そのため、大型車の運転経験がない人でも採用しなければ回らない。若者の車離れ、コンパクトカーの人気…。私生活での運転経験の不足が、バス運転技術に影響しているという見立てだ。

 加えて「自動化」が影響しているとの見方もある。「昔は運賃表も何もかも手動だったので、常に緊張感を持って運転していた。でも今はボタン一つの便利な運転席になったから、気が緩みやすいのかも」(関係者)

 バスの重大事故を巡っては、群馬県藤岡市の関越自動車道で乗客7人が死亡する高速ツアーバス事故(12年)、長野県軽井沢町では14人が死亡するスキーバス転落事故(16年)がある。県警交通企画課は「ちょっとした気の緩みが大惨事になりうることを自覚してほしい」としている。










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