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【会計のキホン】(5)「減損損失」って何?

2017年07月19日 03時00分 更新

記者:溝口聖規氏



  • 溝口 聖規(みぞぐち・まさき)グロービス経営大学院 教員
     京都大学経済学部経済学科卒業後、公認会計士試験2次試験に合格。青山監査法人(当時)入所。公開企業の法定監査をはじめ、株式公開(IPO)支援業務などに従事。複数の大手監査法人を経て、溝口公認会計士事務所を開設。現在は、管理会計(月次決算体制、原価計算制度等)、株式公開、内部統制、企業評価等に関するコンサルティング業務を中心に活動している。



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 「減損損失」は企業の決算発表のニュースにも頻繁に登場する会計用語です。過去には、資源価格の下落による大手総合商社の減損損失や、南米に子会社を持つ大手食品会社の減損損失などが報じられました。

 減損損失はP/L(損益計算書)上では「特別損失」に区分されます。

 会計ルールでは、減損損失は固定資産が対象です。工場の建物や製造設備などの有形固定資産がイメージしやすいと思います。

 では、どのような場合に減損損失が発生するのでしょう。工場の建物や製造設備を例にとると、次のような場合に、減損損失を計上するか否かを検討する必要が生じます。

 1)製造している製品の販売価格の下落や販売不振によって、製品を製造販売して得られる工場の利益またはおカネが継続して赤字の場合

 2)工場の建物や製造設備の用途の範囲や方法が変更され、製造設備の稼働率が低下するなどその価値が著しく低下させるような変化が生じる場合

 3)工場が製造している製品に関連して、経営環境が著しく悪化する場合

 4)工場の土地などの市場価格が下落する場合

 前述の大手総合商社の場合は資源価格の下落(3あるいは4)、大手食品会社であれば南米子会社の業績不振(1)が該当すると考えられます。

 このような例に該当すると、即座に減損損失を計上する必要があるわけではありませんが、次の手続きが求められます。それは―。

 工場の製造設備について、将来の操業計画から期待されるキャッシュフロー総額を見積もり、それが製造設備の帳簿価額を下回るかどうか判定することです。

 下回る場合には減損損失の金額を測定し、P/Lへの計上が必要になります。

 固定資産に投じたおカネは、その後、製品を製造販売するなど固定資産を活用することによって数年かけて回収します。

 減損損失は、当初の計画どおりに固定資産が稼働せず、投資したおカネの回収が見込めなくなる場合に、「投資が回収できない」と判断される部分について、「損失」として処理するものです。

 経営判断には将来の投資判断がつきものですが、厳しい見方をすれば、減損損失は過去の経営判断の失敗とも言えます。

 もちろん、経済環境の変化が激しく予測しづらい昨今、すべての経営判断を正しく行うのは現実的には不可能です。

 減損損失を計上することは経営者としては望ましくない結果であり、むしろ、そうならないように定期的に自社の固定資産に上述のような状況が発生していないか、発生しているとすれば適時に改善策を検討して状況を克服し、減損損失を発生させないように対処することが重要ですね。













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