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【会計のキホン】(8)「人件費」は給料の1.5〜2倍ってホント?

2017年08月30日 03時00分 更新

記者:溝口聖規氏



  • 溝口 聖規(みぞぐち・まさき)グロービス経営大学院 教員
     京都大学経済学部経済学科卒業後、公認会計士試験2次試験に合格。青山監査法人(当時)入所。公開企業の法定監査をはじめ、株式公開(IPO)支援業務などに従事。複数の大手監査法人を経て、溝口公認会計士事務所を開設。現在は、管理会計(月次決算体制、原価計算制度等)、株式公開、内部統制、企業評価等に関するコンサルティング業務を中心に活動している。



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 人件費は給料のざっと1.5〜2倍と言われることがあります。人件費には給料以外の何が含まれているのでしょうか?

 一般に人件費は以下の内容で構成されています。

 ・給料(基本給以外の残業代、通勤交通費も含まれます)

 ・賞与(年間のボーナス)

 ・法定福利費(健康保険、厚生年金等の社会保険料や労働保険料の会社負担部分)

 ・福利厚生費(健康診断費用や社員旅行費用等会社によってさまざまです)

 ・退職年金費用(退職金の支給に備えた毎年の積立金の会社負担部分)

 給料に加えて、こうした費用が合計されることから、人件費はざっと給料の1.5〜2倍になる、というわけです。もっとも、会社の賞与、退職金、福利厚生の水準などによっては2倍以上になることもあるでしょう。

 人件費は、P/L(損益計算書)では人件費、労務費という記載のほかに、給与、賞与、法定福利費、福利厚生費など具体的な名称で記載されることもありますので、他社等と比較する場合には注意が必要です。

 ■売上原価か、一般管理費か

 また、「人件費は売上原価なのか?それとも販売費及び一般管理費なのか?」という疑問もよく耳にします。

 売上原価とは、販売された製品や商品の製造原価や購入代金のことです。

 販売費及び一般管理費とは、運送費、広告宣伝費、販売促進費のように販売業務に関する費用と経理、総務、法務等のいわゆる間接部門で発生する費用の合計のことです。

 人件費は一律に売上原価あるいは販売費及び一般管理費に区分されるのではなく、その人件費が何の業務で発生したかによって区分されます。

 例えば、工場の製造ラインの従業員の人件費は、製品の製造コストに含められるため、売上原価となります。

 一方、営業部門や経理、総務部門の従業員の人件費は、販売費及び一般管理費に区分されます。

 ■「先行投資」の意味合いも…

 会社にとって人件費は「将来への投資」という意味合いもあります。

 新入社員が一人前の戦力になるには相当の時間が必要であり、その間の人件費は会社にとってはいわば先行投資の意味合いです。

 企業経営においては確かにそうした面はありますが、会計ルールではあくまで人件費はその都度の「費用」として扱われます。

 これだけの知識をインプットするだけで、決算書を読む際に人件費の見え方が変わってくるのではないでしょうか?














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