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自己否定しかない?「脱ラブホ」に突き進む福岡のラブホ事情

2017年07月05日 03時00分 更新

記者:吉武和彦


  • ビジネス利用を促す「心配り」として、ホテルを経営する企業名を記した領収書

  • 福岡市・中洲のクラブをイメージして作った会員カード。利用するとポイントがたまり、割引きを受けられるが、カードに「ホテル」の記述はない

  • 「われわれの方がお客さまを選んでいたのかもしれない」と、観光やビジネス市場に食い込んでいく方針を示す高崎次郎社長


 ■心配りの「脱ラブホ」

 今の姿のまま生き残りを目指すラブホテルは呼称を「レジャーホテル」などと変え、サービスも広げている。

 女性だけで飲食や宿泊を楽しむ「女子会プラン」からさらに進み、プロの料理人を迎えて食事メニューを大幅に強化するところも福岡で出てきたという。

 さらに、こんな心配りもある。

 福岡県内で三つのラブホテルを経営する高崎次郎社長(51)は、一枚の領収書をみせてくれた。

 そこには屋号の「ホテルエリス」の名はなく、経営する企業名が記されていた。もともと領収書を出す商習慣はなかったが、ビジネス利用を得るためという。

 「ホテル名を伏せた方が、会社への経費申請がすんなり通る。家庭内でも無用な誤解を与えずに済む」と読む。

 ノートパソコンや携帯電話などの忘れ物を届ける場合も、ゴルフバッグを自宅に送る時のように、本人が本人宛てに届ける形にして発送する。その際の職場や自宅への連絡も、百貨店や自動車販社の名前で本人を呼ぶ「心配り」(高崎社長)ぶりだ。

 料金も「お一人様の利用は30%オフ」としたところ、1人で泊まるスーツ姿の男性客が増えてきたという。利用すればポイントがたまって割引きを受けられる会員カードも作り、福岡市・中洲のクラブをイメージして名称を「クラブエリス」とした。

 九州のラブホテル経営者約30人が加盟する九州ホテル協会(福岡市)によると、ビジネス利用は都市部を中心に広がり、アンケートでは加盟者のほぼ3分の2が「増えている」と回答したという。

 高崎社長は協会の代表理事を務め、「対ビジネスホテル」の競争力に自信を持つ。

 「ラブホテルは備品がハイスペックだ。ダブルベッドにジャグジー風呂、遠赤外線サウナ、マッサージチェア、映画見放題の大型テレビを備えているのに、料金はビジネスホテル並み。コスパ(コストパフォーマンス)が断然いい」

 とはいえ、まだ既存客の落ち込みをカバーするには至ってないという。

 「われわれも同じホテルだ。むしろ、われわれの方が(固定概念にとらわれて)お客さまを選んでいたのかもしれない」と高崎社長。今後も通常のホテル市場に業界を挙げて食い込んでいく考えだ。

⇒【後編】は取材後記「これはビジネス利用なんです…」(ビジネスユースできるラブホ一覧も)

「ビジネス利用が増え始めた」という福岡市内のラブホテル=福岡市博多区竹下2丁目
ダブルベッドやマッサージチェアなど通常のビジネスホテルにはない「ぜいたく品」(関係者)を備えた寝室。トイレと風呂は別々で、サウナもある=福岡市博多区の「ホテルエリス」
室内に併設されたサウナ。「サラリーマンの疲れを癒やしてくれる」と好評らしい









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