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九州豪雨の避難情報、一部に届かず 防災無線、地域放送が故障

2017年07月17日 03時00分 更新

記者:御厨尚陽

 甚大な被害が出た九州豪雨で、福岡県朝倉市の一部地域で住民に避難指示などを伝える防災行政無線や音声情報の「コミュニティ放送」が不具合を起こし、情報が伝わらなかった可能性があることが市の調査で分かった。土砂災害の多発などが原因とみられ、大規模災害時の情報発信の難しさが改めて浮き彫りになった。専門家は「全国の自治体に共通する課題で、情報伝達の在り方を見直す教訓とすべきだ」と訴える。

 朝倉市によると、市は豪雨に見舞われた5日、避難指示や勧告、避難所の開設情報を防災行政無線で発信した。ただ、豪雨後に市内の屋外スピーカーを確認したところ、全116カ所のうち杷木、高木両地区の7カ所で作動していなかったことが判明。停電が原因とみられ、非常用電源車も流木や土砂に阻まれて通行できず、機能しなかったという。「雨脚が強くて防災行政無線が聞こえなかった」と指摘する住民もいた。

 防災行政無線は、東日本大震災で被災した住民の半数が津波避難情報の入手先として挙げた“命綱”。しかし大規模災害時に機能しないケースは少なくなく、熊本地震で被災した一部自治体でも停電やバッテリー切れで使えなかった。

 こうした事態に消防庁は情報の伝達手段の多様化を呼び掛け、朝倉市は4月、杷木地区に避難情報などを発信するコミュニティ放送を整備。今回の豪雨でも専用受信機を設置した約1500世帯に情報が送られたが、中継基地の発信機の故障や光ケーブルの断線により一部で放送されなかった。同地区の女性(70)は「市の避難情報が入らず、知人の連絡で避難するよう言われた」と振り返った。

 市の担当者は「限られた予算でさまざまな手段を考えてきたが、電気や道路などが寸断されると厳しい」と苦悩する。広瀬弘忠東京女子大名誉教授(災害リスク学)は「大規模災害が起きるたび、全国で同じ事態が繰り返されており、教訓が生かされていない。避難指示を聞かないと住民はなかなか避難しないだけに、技術を駆使して確実に伝える態勢を築く必要がある」と語った。










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