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東電会長の発言に「はらわたが煮えくり返る」 原子力規制委の田中俊一委員長(7月19日)

2017年07月28日 03時00分 更新

記者:永松英一郎


  • 原子力規制委の田中俊一委員長

  • トリチウム水などが入ったタンクが立ち並ぶ東京電力福島第1原発=2017年2月

  • 東日本大震災から6年となる東京電力福島第1原発

 東京電力の川村隆会長の発言を巡って、原子力規制委員会の田中俊一委員長が、こう語気を強めた。

 「私を口実にして、原発事故を起こした当事者として(判断から)逃げるのはおかしい。はらわたが煮えくり返る

 19日の定例記者会見で発したこの言葉は、報道各社も伝えた。田中委員長の東電批判は珍しくないが、ここまで怒りをあらわにするのは異例だったからだ。

 逆鱗(げきりん)に触れた川村会長の「発言」とは、放射性物質トリチウム処理水の海洋放出をめぐるものだった。

 田中委員長の記者会見に先立つ報道各社のインタビューで、東電の川村会長はこんな発言をしていた。

 「(田中)委員長と同じ意見だ。東電として(海洋放出の)判断はもうしている」

 ■たまり続ける処理水

 東京電力福島第1原発では、汚染水を浄化した後に残るトリチウム処理水が敷地内のタンクにたまり続け、問題になっている。

 トリチウムは他の放射性物質と異なり、浄化装置を使っても水から分離するのが難しい。このため、稼働している国内の原発でも、希釈するなどして海洋放出しているのが実情だ。

 ところが、海洋放出には、地元の漁業関係者らの懸念が強い。風評被害を考えると、当然のことと言えるだろう。

 そこで、川村会長が引き合いに出したのが「(田中)委員長」だった。

 もともと処理水の海洋放出が健康や環境に与える影響は「小さい」ともされ、田中委員長は、第1原発のタンクに貯蔵する汚染水を希釈して海に放出すべき、と繰り返し述べていた。

 川村会長は、そんな田中委員長の意見に“便乗”する形で、漁業関係者の理解を得ようとした、と批判されても仕方ないだろう。

 田中委員長が「私を口実にして」と怒る理由がここにある。

 ※次ページは「気がかりの『主体性』」(会員限定)










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