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「貸しおしぼり」は地球を救う?

2017年07月23日 03時00分 更新

記者:木村貴之


  • 飲食店で提供されるタオル地の貸しおしぼり。顧客への「おもてなし精神」が込められたサービスは、世界中を探しても日本にしかない産業と文化に支えられている!?(写真はイメージ)

 タオル地の木綿布をロール状に丸め、熱々や冷え冷えの状態で提供される飲食店のおしぼり。それを手にするたびに考えることがある。手だけでなく顔も拭けば爽快だろうな、と。ただ気が引ける。周りに「オジサン臭い」と不快感を与えないか。衛生的に大丈夫か―。こんな葛藤をするサラリーマンは少なくないはずだ。

 で、サラリーマンを代表して調べてみた。結論は「ノー・プロブレム」だ。全国おしぼり協同組合連合会(名古屋市)に聞くと、おしぼりの本来の目的は「顔や手の汚れを拭き取ってリフレッシュしてもらう」。厚生労働省の指導基準に沿って処理され、衛生的にも問題はないという。ただ、あくまで男性とすっぴんの女性に限った話。化粧した女性はどうも具合が悪いらしい。

 一般的なおしぼりは、業者が飲食店などに供給し、使用済みを回収後に洗濯して再供給するリサイクル型のリース方式、いわゆる貸しおしぼり。連合会は、そうした業者団体でつくる全国組織だ。

 では、なぜ化粧した女性は具合が悪いのか。連合会によると、顔の皮脂汚れは回収後の洗濯で落ちるが、ファンデーションや口紅に含まれる顔料や合成油は落とせず、変色の原因に。通常、貸しおしぼり1本につき40〜50回は再利用されるが、変色したものは新品状態でも廃棄される。つまり、エコでなくなるわけだ。

 連合会が業者を通じて飲食店などに呼び掛けるNG使用例は(1)雑巾として使う(2)靴を拭く(3)割れたガラスを包む―。廃棄につながる事例として女性の化粧汚れはごく少数だとか。最も多いのは卓上にこぼれたコーヒーや醤油などを拭き取って再利用できなくなるケース。食事中の口元の油汚れは紙ナプキンなどを使った方がいいかもしれない。

 ついでに、おしぼりに関するいろんな“トリビア”を聞いた。ルーツは平安時代。公家が客人を自宅に招く際、ぬれた布を提供したのが始まりという。江戸時代には「旅籠(はたご)」と呼ばれる宿屋が玄関に水を張ったおけと手ぬぐいを用意。旅籠を訪れた旅人は手ぬぐいを水に浸してしぼり、汚れた手足をぬぐう。この「しぼる」という行為が語源になったらしい。


木村貴之(きむら・たかゆき)<br />
1994年に西日本新聞社に入社。筑豊総局、経済部、玉名支局、地域報道センター、八代支局、こどもふれあい本部などを回り、2016年9月、荒尾支局から本社デジタル編集チームに。好きな音楽はレッド・ツェッペリン「貴方を愛し続けて」、エゴ・ラッピン「色彩のブルース」、里見洋と一番星「新盛り場ブルース」など。









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