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これぞ博多流、山笠が社員育てる 山のぼせ「ふくや」物語(1)

2017年07月26日 03時00分 更新

記者:ノンフィクションライター三宅玲子


  • 三宅 玲子(みやけ れいこ)
    1967年熊本県生まれ。ノンフィクションライター。「人物と世の中」をテーマに取材。2009〜14年北京在住。ニュースにならない中国人のストーリーを集積するソーシャルプロジェクト「BillionBeats」運営。福岡・住吉の夜間保育園「どろんこ保育園」のノンフィクションを今秋上梓予定。


■「出させていただく」気持ちで

 今年はふくやの社員になって初めての山笠だった。
 4月に入社してからは、赤手拭のメンバーによるLINEグループに返信するのが遅れ気味になった。返信できずにいるうちに、ほかの赤手拭たちで物事が決まっていく。休みの日の打ち合わせでも、つい気が引けてしまうときがあり、正直、悔しい。
 「でも、実際に動いて結果を出してるヤツがいちばん偉いんで。どうやって仕事とバランスをとるか、苦戦中です」

 6月まで続いた新人研修が終わり、7月1日に飲食店担当営業に配属された。
 「配属されたばかりの新人が休むのは特別なことだと思います。人事部長からは『山笠に出させていただく、ありがとうという気持ちを忘れるな』と言われました」

 山笠は、支えてくれている人がいて成り立っている―。
 山笠に出続けている人が、よく口にする言葉だ。
 「詰め所を提供してくれる町内、直会に料理を出してくれる飲食店、参加を認めてくれる会社。こうした全てに感謝して山を舁くようになりました」
 と、岡崎は言った。
 「 自分たちの町内の詰め所の前を通るときは、その町内のメンバーで山を舁きます。ほかの町内の詰め所の前を通るときには、その町内のメンバーに山を託します。町内の人たちのためにという気持ちは、本当なんです」
 岡崎は、いつの間にか先輩の思いを受け継いでいた。

 社長の川原武浩が、こう言葉を添えた。
 「会社での伸びしろに学歴は100パーセント関係ありません。それより大事なことは、地域への思いを持てるか、です」
 
 =文中敬称略

 ⇒山のぼせ「ふくや」物語(2)形のない「何か」を人生の真ん中に
 ⇒山のぼせ「ふくや」物語(3)「理不尽さ」のみ込み、誰かのために

追い山で櫛田神社の清道を駆け抜ける一番山笠・中洲流=7月15日午前5時頃(撮影・佐藤桂一)
学校には反発したが、山笠で育てられたという岡崎大地(撮影・比田勝大直)
「学歴ではない。地域への思いがもてるか」と語るふくや社長、川原武浩(撮影・比田勝大直)









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