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出張バスで「アンビリーバボー!」

2017年08月06日 03時00分 更新

記者:木村貴之


  • 福岡都市高速道路のインター付近に伸びる合流区間で、故障のため緊急停止し、代車を待つバス。すぐ脇の走行車線には高速走行の車の流れが絶え間なく続いた=7月28日、福岡市博多区

  • 福岡都市高速道路で停止したバスの最後部席で後ろ向きに座り、リア窓のカーテンを開けて後続車の追突を警戒する乗客

 まさに「アンビリーバボー!」な事態に遭遇した。先日、出張先の宮崎県えびの市に向かって福岡市・天神をバスで出発し、JR博多駅を経由して福岡都市高速道路に入ったところ、バスが急停車。突然の故障だった。私たち乗客は急きょ代車に乗り換えることになり、真夏の炎天下、代車到着まで高速道路内で立ち往生する羽目になったのだ。

 当時、気温は30度以上。手持ちのスマホには「高温注意情報」のプッシュ通知が届いていた。故障はエンジンや燃料・電気系統が絡んでいなかったため、エアコンが止まる心配はなかったものの、停車した場所が場所。本線に入る合流区間の先端部付近。時速80キロ前後で車が流れる走行車線すれすれで、後続の本線合流車による追突の心配もした。

 深い谷底の真上で止まったロープウエー、高層階で停止したビルのエレベーター、レール最高地点で動けなくなったジェットコースター…。心配が高じると、もっと「アンビリーバボー!」な状況に置き換えてしまう。出張に同行した女性同僚は最後部席で後ろ向きに座り、リアの窓のカーテンの隙間から追突を警戒。オーバーだと映るかもしれないが、不測の事態に備えるとはこういうものだ。

 私が試みたのは、乗客同士で共有する情報の収集。しかし、これには苦労した。「いきなりギアの入らんごつなってですね」。熊本弁交じりであたふたする運転手からは、不具合の状況を聞き取るだけで精いっぱい。代車到着の見通しを聞いても「分からんとです」。そんな曖昧な対応に業を煮やして下車したのか、サラリーマンらしき男性が黒いカバンと上着を抱え、高速入り口に向かって合流区間を逆に歩く後ろ姿が見えた―。


木村貴之(きむら・たかゆき)<br />
1994年に西日本新聞社に入社。筑豊総局、経済部、玉名支局、地域報道センター、八代支局、こどもふれあい本部などを回り、2016年9月、荒尾支局から本社デジタル編集チームに。好きな音楽はレッド・ツェッペリン「貴方を愛し続けて」、エゴ・ラッピン「色彩のブルース」、里見洋と一番星「新盛り場ブルース」など。









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