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2017九州豪雨

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豪雨被災の藤井養蜂場が再開 9月に恒例「はちみつ祭り」

2017年08月13日 03時00分 更新

記者:飯田崇雄


  • 販売コーナーに流れ込んだ泥水の高さを示す線を指さす藤井敬三さん。今はほぼ被災前の状況に回復した

 九州豪雨で被災した福岡県朝倉市の藤井養蜂場は、多くの関係者の協力で、販売と製造の一部再開にこぎつけた。「従業員を含め、いろんな人に支えてもらい、会社をやることの重みをあらためて実感した」と専務の藤井敬三さん(70)。恩返しの意味も込め、恒例のはちみつ祭りを9月に開く。

 4日午後、5種類の国産蜂蜜などが並ぶ販売コーナーの床や壁はきれいに拭き上げられ、若い客が品定めをしていた。再開は被災8日後の13日。「10日もたたないうちに再スタートできるなんて、あの時はまったく思いも寄らなかった」と藤井さんは振り返る。

 7月5日午後、羽田空港ロビーで福岡行きの飛行機を待つ藤井さんの目に「朝倉市で豪雨」という情報がテレビを通して飛び込んできた。「何が起きているんだ」。すぐさま会社に電話し、工場や売り場で働く約60人を一晩会社に泊めるよう指示。帰路を急いだ。

 通行止めが相次ぎ、会社に着いたのは6日午前。荒れ果てた光景にぼうぜんとした。瓶詰め工場は泥がくるぶしまで入り込み、生産設備の一部は壊れた。販売コーナーは膝下まで泥水が流入。敷地内に置いたハチの巣箱8箱・約25万匹に加え、朝倉市や東峰村の山の巣箱300箱近くが水没した。約900万匹分。「なぜこんなことに」。大きなため息が出た。

 いつ再開できるのだろうか−。その懸念は杞憂(きゆう)だった。取引先や懇意の養蜂家が駆け付け、従業員と共に泥のかき出しを手伝ってくれた。「またおいしい蜂蜜が食べたい」と顧客から届いた励ましのメールや電話は数十件。20年前、養蜂研修で世話になったというパラグアイの日系人からも手紙が届いた。多くの人の支えに気付かされた。

 反省もある。各地で大規模な水害が起きていたのに、備えができていなかった。被災1カ月。苦労したからこそ、伝えたいことがある。「大雨はどこにでも降る。自分の地域について知る努力をしてほしい」

 9月16、17日に予定する夏のはちみつ祭りは28回目。今年も無事に開催できる喜びを胸に、特価で振る舞う国産蜂蜜の品質チェックを本格的に始める。










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