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太宰府参道の“突き出し屋根” 違法状態解消へ 市が景観優先の条例案

2017年08月22日 09時29分 更新

記者:南里義則


  • 太宰府天満宮の参道沿い店舗のほとんどに設置されている付庇。日よけや雨よけの役目とともに、個性ある景観の一部として定着している

 多くの観光客でにぎわう学問の神様・菅原道真公をまつる福岡県太宰府市の太宰府天満宮参道に並ぶ各店舗の「付庇(つけびさし)」は、公道(参道)上に突き出しているため、1950年の建築基準法制定以来、違法状態が続いていた。長年にわたる懸案だが、市は「伝統的な趣ある景観を守りたい」と、景観法に基づき、建築基準法の規制を緩和する条例案を9月議会に提案する方針。67年ぶりに現状のままでの違法状態解消を狙う。

 市によると、文化財保護法に基づく「伝統的建造物群保存地区」を対象に、条例で建築基準法の規制緩和をしている例は全国で20以上あるが、景観法に基づく規制緩和条例は、可決されれば全国初という。

 約240メートルに及ぶ参道沿い店舗の付庇は、参拝客の雨よけや日よけなどのため、江戸末期以降に建てられてきた。明治期に撮影された参道の写真でも付庇が確認され、現在はほとんどの店舗(47軒)が出入り口などに取り付けている。

 ところが戦後制定の建築基準法で、付庇は公道上の空間に突き出ているため、道路占用許可が必要となった。法制定に店舗側は戸惑い、行政側も事実上の黙認状態が続いていた。

 市は88年、参道の電線地中化や石畳化の際に付庇の対応を検討した経緯もある。「取り払うべきだ」の声もあったが、「古くからの個性ある景観を守ってほしい」との地元の意見が多く、市が法に違反しない形での付庇の整備を計画。しかし可燃性素材を使う案のため、県から「火災の危険あり」と待ったがかかり、立ち消えになったという。

 2004年になって景観法が制定され、建物を「景観重要建造物」に指定すれば、景観保全のために建築基準法緩和が条例で可能となった。これを受け、市は国や県と協議を続け、各店舗の指定について国土交通相の承認を得たという。

 市は10月の条例施行を目指し、さらに歴史的風情を醸し出す建造物などを修理・修景する費用を補助する国の制度の活用も、各店舗に呼び掛ける予定。

 参道で梅ケ枝餅店を構える太宰府観光協会会長の不老安正さん(73)は「付庇はもともと観光客へのおもてなしとして設置し、景観上の工夫もしてきた。違法状態の解消は大歓迎」と喜んでいる。










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