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台湾の脱原発、大停電で逆風 安定供給に懸念、停止の原発再稼働も

2017年09月14日 03時00分 更新


  • 台湾電力本社で電力の供給体制を聞く頼清徳行政院長(左)=12日、台北市(行政院提供)

 8月に台湾全域で大停電が発生して以降、2025年までに原発を廃止する台湾政府の「原発ゼロ」政策に厳しい視線が向けられている。行政院長(首相)に就任したばかりの頼清徳氏は12日、台風18号の接近を前に台湾電力(台電)を視察。電力の安定供給に対する不安払拭(ふっしょく)に躍起だ。 (台北・中川博之)

 就任5日目に台北市の台電本社を訪れた頼氏は「近づいている台風にしっかり対応してほしい」と同社幹部に要請。既存設備の点検の徹底、新しい設備の着実な建設などを求め「新エネルギー政策(脱原発)に対して市民や工業、商業関係者が安心できるよう、大停電の防止に努めてもらいたい」と強調した。

 台湾では11年の東京電力福島第1原発事故後、原発廃止を求める声が急激に高まり、今年1月に25年までの原発廃止を定めた改正電気事業法が成立した。台湾政府の計画では、太陽光や風力による再生可能エネルギーを推進。全発電量の5・1%(16年)を占める再生エネを25年までに20%に増やし、13・5%(同)を占める原発分を賄う予定だ。6基ある原発のうち3基は定期検査などを契機に運転を停止中。現在の稼働は3基。

 これに対し、経済界からは電力の安定供給のために原発再稼働を求める声が強い。7月末、台風の強風で台湾東部にある火力発電所の送電塔が倒れると、不安が現実に。8月上旬には電力需要に対する余力を示す供給予備率が、安定供給の最低限の目安とされる3%を割り込む日が相次いだ。

 大停電は8月15日、電力不足の危機感が高まる中で発生。台湾メディアによると、台湾西部にある大規模火力発電所への天然ガス供給が、作業員の操作ミスで停止。台湾全域で停電が発生し、全戸数の半分に当たる約668万戸に影響が出た。

 ぎりぎりの供給予備率に対する懸念が現実になり、電力供給システムのもろさを露呈した大停電。蔡英文総統は「われわれのエネルギー政策に変更はない」と強調したが、不安の声は収まっていない。台湾政府は最近、安全性に問題がないことなどを条件に「最後の手段」として停止中の原発を再稼働させる可能性があることを示唆。大停電が再び起きれば、エネルギー政策の軌道修正を迫られる恐れもある。










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