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猫の爪研ぎ大ヒット 福岡・行橋の段ボールメーカー

2017年09月24日 03時00分 更新

記者:佐伯浩之


  • 作品を前に「次々にアイデアを出していきたい」と語る寺澤一光社長

 福岡県行橋市今井の段ボール製造会社「大国(だいこく)段ボール工業」(寺澤一光(かずあき)社長)では、近年のペットブームに乗って開発した段ボール製の動物の生活用品が人気を呼んでいる。受注は途切れず、中でも「猫の爪研ぎ キャットタワー」は生産が追いつかない状況で、数カ月待ちだ。「段ボールは荷物を入れる物」という既成概念を打ち破り、次々にアイデアを製品化している。

猫の爪研ぎ大ヒット

 同社は1962年1月、小倉北区で創業。74年に行橋工場を建設し、以降、同工場に本社機能を移した。寺澤社長(62)は慶応大を卒業後、関東地方の段ボール製造会社で修業し、数年後に入社。2代目社長を務める。

 「猫の爪研ぎ」の開発に着手したのは約8年前。会社に新たな機械を導入したのがきっかけだった。これを機に、猫を飼う知人から商品開発を勧められた。他社との製造・販売・開発競争に「何か独自に販売できるものはないか」と思っていたときのことだ。

 寺澤社長は、市場調査をした上で制作に着手した。猫の習性などを記した本を読みあさった。猫は爪の甘皮を自分で処理するのが「爪研ぎ」に見えるということも分かった。さらに、球形を好み、高い場所が好きであるとの特性を開発のコンセプト(構想)にした。

 試行錯誤を繰り返し、3年以上かけて試作品を作った。元々、2人の息子に段ボールを使ったおもちゃを作っていた寺澤社長は「開発は全然苦にならなかった」。段ボールを50枚重ねて貼り合わせ、高さ約1メートルの塔状のものを作り上げた。「50枚重ねがバランスや耐久性などが一番良かった」という。

   ×    ×   

 「果たして売れるのだろうか」。開発したが不安がよぎる寺澤社長に朗報が飛び込んだ。

 この製品が、2013年度の「グッドデザイン賞」を受賞したのだ。「段ボールを使って、想像もしない作品を作った」ことが受賞理由だった。この受賞が関心を呼び、全国の猫を飼う家庭から注文が相次いだ。インターネットで販売サイトも立ち上げた。

 製品は、段ボールを切断する以外は全て手づくり。「多くて1日3個程度しか作れない」という。価格は1万1千円(消費税、送料別)。

 今、寺澤社長はローリングチェアーや小さな子どもが使う机などの製作依頼も受け、アイデア満載のものを考案中だ。北九州市などの大学で臨時講師を務めたこともある。「段ボール製品の幅を広げたい。依頼があればいろいろな商品を作りたい」と夢を語る。










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