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ホークスの“厚すぎる選手層”経営上の狙い

2017年09月25日 15時59分 更新


  • スカイマーク・佐山展生会長

目指さないと1位にはなれない

【佐山】野球の場合、優勝と準優勝では全然違いますよね。

【後藤】それはもう、全然違います。

【佐山】われわれも同じです。破綻以前のスカイマークは欠航や遅延が多かった。いまは「定時出発率日本一」を目指して、社内の全部署が業務改善に取り組んでいます。2016年4月から2017年3月までの月間ランキングでは、11社中トップ3に入っていて、2017年度は日本一になります。

 すでに欠航率は日本一低い航空会社となっています。天候以外の欠航をなくすため、26機中1機から2機を常に予備機にしているんです。このため航空機の不具合があっても、予備機を飛ばせます。昨年4月から今年の3月までの欠航率は0.58%で、これは大手2社の半分以下です。

 お客さまのイメージを刷新するには、定時出発率も日本一にしたい。トップクラスではダメなんです。こうした「1番」の価値は、物事全てに言えることだと思います。

「選手層が厚すぎる」と言われるが……

【後藤】ホークスのスローガンは「めざせ世界一!」。たった6文字です。そのためには常に勝てるチームづくりが必要です。

 人間のやることですから、選手はケガもしますし体調が悪くなるときもあります。そうした非常時に「だから仕方がない」ではダメなんです。主力の選手がケガや体調不良で出られなくても、それに負けないレベルの選手を試合に出す必要があります。

 「選手層が厚すぎる」とご批判をいただくこともあります。でも、僕はそれでいいと思っているんです。うちはなぜ層が厚いのか。下で支えてくれている選手たちがものすごい努力をしているからです。彼らはそのものすごい努力をしないと試合に出られない。今年はデスパイネ選手が非常にがんばっています。あんなふうに選手が張り切ると、ほかの選手も「デスパイネを抜くぐらいホームランを打たなきゃ出られない」と発奮するわけです。

【佐山】「一生懸命やっていて、気づいたら日本一になっていました」ということはあり得ませんね。富士山は、富士山に登ろうと準備をして家を出てきた人しか頂上までたどり着けません。天気がいいので足を伸ばして富士山に登ってきましたという人はいません。

 つまり、あるレベル以上難しいことは、やろうと決めないと達成できません。1位になろうと思わないと1位にはなれないということですよね。

【後藤】3年に1度優勝すればいいということであれば、もっとおおらかに若手に機会を与えられるかもしれません。でもうちのチームはそれではダメなんです。毎年優勝しないと、世界一にはなれませんから。

 僕らフロントは「言い訳はナシだ」と申し合わせています。たとえば、主力選手が4人もケガで出られなくなった場合、優勝に響くんですよね。でも、それを「想定外だから仕方がない」と言ってはダメなんです。デッドボールを4人ともくらって4人とも休養日になってしまうことだってあり得るわけですが、それも想定して戦略を立てるのが、世界一をめざすチームのやり方です。「想定外」という言葉は絶対に使ってはいけないんです。

 ※後編では「勝つための時間の使い方」「孫正義と事業欲」について語り合います。


 後藤 芳光(ごとう・よしみつ)

 福岡ソフトバンクホークス社長
 1963年生まれ。一橋大学卒業。87年安田信託銀行(現みずほ信託銀行)入行。2000年にソフトバンク(現ソフトバンクグループ)入社。13年10月から福岡ソフトバンクホークス社長兼オーナー代行。ソフトバンクグループ専務執行役員財務統括も務める。

 佐山 展生(さやま・のぶお)

 スカイマーク会長
 1953年生まれ。76年京都大学工学部卒業。94年ニューヨーク大学大学院(MBA)、99年東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程修了。帝人、三井銀行(現・三井住友銀行)勤務を経て、98年ユニゾン・キャピタルを共同設立。2008年インテグラル社長。15年より現職。

(構成=三宅玲子 撮影=プレジデントオンライン編集部)


 当記事はプレジデントオンラインの
 提供記事です


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