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大学や経営塾に社員派遣 西部技研(Q&Aと動画付)

2017年09月26日 03時00分 更新

記者:田中良治


  • 隈扶三郎(くま・ふみお)西部技研社長

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隈扶三郎(くま・ふみお)西部技研社長

 中国を中心に海外事業が伸びており、子会社を含めた連結決算では売上高の約6割を海外が占めるようになった。そのため「世界で活躍したい」との思いがある“グローバル人材”を必要としており、外国人の採用も進めている。現在、中国と韓国、タイの3カ国、計7人が働いている。

 九州大のビジネススクールの経営学修士(MBA)取得や「九州・アジア経営塾」(福岡市)の受講に加え、九州内外の大学院で博士号取得を支援するなど、社外での人材育成に力を入れている。

 仕事の成果を重視した社員の評価制度を導入する一方、残業を申告制にするなど、仕事の密度を上げる働き方改革を進めている。単なる長時間労働の抑制でなく、自己研さんなどのために時間を確保してもらうのが狙い。子育て中の女性社員らが安心して働けるような環境整備の一環でもある。有給休暇では年1回、土日を含め9連休を取得する制度を設けている。

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これがわが社の人財活用術だ
qBizが聞きたい7つの質問

 ※回答、動画「これがわが社のシンボルだ!」出演ともに隈氏。

 (1)即内定!ぜひ会社に迎えたい人材とは?

 海外事業が伸びていることもあり、チャレンジ精神があり「世界で活躍したい」という思いがある“グローバル人材”に来てほしい。私たちが必要としているのは、設計や開発、営業など、それぞれのスキルが海外でも通用する人物。外国語ができなくても致命的ではない。ちなみに会社では週2回、英会話教室を開いている。

 (2)採用活動で一番の悩みは?

 東京や大阪など九州以外にも支店や営業所があり、九州以外の地域でも人材を採用したいと考えている。これまで東京では知名度が低く、現地採用に苦労してきた。

 技術力で勝負している会社なので、エンジニアのバックグラウンドがある学生に来てほしいが、理系の男子学生は競争が厳しい。そのため、約10年前からいわゆるリケジョ(理系女子)を積極的に採用しており、いま新卒採用の半数は女子学生になっている。

 (3)いま会社として一番忙しいことって何ですか?

 私たちの会社は、もともと工場やビルなどで使われる空調機の“心臓部”を作って装置メーカーに販売していたが、いまは自社で最終製品まで作るようになった。エンドユーザーと取引するようになったことで、製品の調整や保守、点検などを手掛ける「サービス事業」に乗り出し、お客さまが抱える課題への解決策などを提案する「ソリューション事業」も強化。いずれの事業も急速に成長しており、必要なスキルを持つ人材の育成と確保が追いつかない状況だ。

 (4)10年後、あなたの会社はどうなっている?

 海外子会社を含めた2016年度の連結決算で、売上高が100億円に達した。目標より5年前倒しでの達成だった。いま、国内で力を入れている「サービス事業」や「ソリューション事業」を海外でも展開しようと考えており、10年後には売上高200億円企業を目指したい。

 (5)社員の能力開発、スキルアップのために取り組んでいることは?

 社内では、必要と思われるテーマを毎年考え、研修プログラムを実施している。社外では、九州大学のビジネススクールや地場企業が設立した「九州・アジア経営塾」(KAIL)、グロービス経営大学院などに社員を派遣。九州内外の大学院での博士号取得も支援している。私も九州・アジア経営塾の卒塾生だが、社外には全く異なる価値観があり、視野が広がる。中小企業は同期入社が少なく、社内に競争がないのが課題。将来、会社を引っ張っていく人材には社外に出て、志が同じ人たちと切磋琢磨するような経験が必要だと思っている。

 (6)同業他社と比べた場合、あなたの会社の売りは何ですか?

 私たちの会社は、ビルや工場などで使う全熱交換器や除湿機、大気中への汚染物排出を抑える揮発性有機化合物(VOC)の濃縮装置などを製造しているが、主力製品の技術は全てオリジナルだ。とにかく自社技術にこだわっている。製品の製造装置も自分たちで作るので、他社はまねできない。いまは最終製品を作り、現場での設置工事までやっており、お客さまの声を聞きながら製品の改善や改良を手掛けることができる。それが強みだと考えている。

 (7)「働き方改革」やってますか?

 単なる長時間労働の削減ではなく、自己研鑽などの時間を確保するためにメリハリの利いた働き方をしてもらうように改革を進めている。まず社員の評価基準を見直した。社員には毎年目標を設定してもらい、定期的に面談をして達成状況を確認するなどして、成果や実績を評価するようにした。また、残業する場合は、理由や必要な時間を申請してもらう許可制として「早く帰宅できるときは早く帰る」習慣を身に付けてもらうようにしている。

 こうした改革の背景には、かつて女性社員の離職率が高かったことがある。女性も安心して働けるような環境を整えることで、外国人など多様な価値観を持った人たちが働けるようになると考えている。

 社員の有給休暇の取得を促すため、1時間単位で有給休暇を取れるよう制度を変更。また、「ポジティブ有給休暇」という制度を設け、年末年始やゴールデンウィーク、お盆の時期以外に、年に1度は必ず月曜日から金曜日まで必ず休んでもらうようにしている。土曜、日曜日を合わせれば9連休になるので、旅行に行ったり、家族とゆっくり過ごしたりできると思う。

 ※西部技研のホームページはこちら

西部技研
 空調機の心臓部に当たる「全熱交換器」や除湿機、塗料などに含まれる揮発性有機化合物(VOC)を減らす装置などを製造している。本社は福岡県古賀市。創業者の隈利實氏が1965年設立。福岡以外の国内拠点は東京支店など全国6カ所。スウェーデン、米国、中国に海外子会社がある。2016年度の単体売上高は66億40000万円。従業員は16年12月末で230人。









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