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伝説のキャラクター「かわいいコックさん」

2017年11月12日 03時00分 更新

記者:木村貴之


  • 居酒屋でキープする焼酎ボトルに白の油性ペンで描いた「かわいいコックさん」。幼児期に絵描き歌を覚えた“昭和世代”なら、きっと懐かしんでもらえる?(絵と写真・木村貴之)

  • 「オムテモワン」が商標登録した「かわいいコックさん」のキャラクターイラスト。Tシャツやエプロン、キーホルダーなどのグッズを豊富に展開している(オムテモワン提供)

 福岡市・天神界隈の居酒屋カウンターで飲んでいたら、隣の女性客2人組が突然、こっちを向いて酒を噴きそうになった。2人が反応したのは、私が描いた焼酎キープボトルの落書き。子どもの頃に覚え、五十路を過ぎた今も忘れない絵描き歌「かわいいコックさん」だ。「なっつかしい〜」。興奮気味の2人は同年代。リアクションは少し大げさだが、それほどインパクトのあるキャラクターということか。しかし、このキャラって一体…?

 「棒が1本あったとサ 葉っぱかな?/葉っぱじゃないよ カエルだよ/カエルじゃないよ アヒルだよ/6月6日に雨ザーザー降ってきて/三角定規にヒビ入って/あんパン二つ 豆三つ/コッペパン二つくださいな/あっという間に かわいいコックさん!」

 親しみやすいメロディー、分かりやすい歌詞に合わせて描き進めると、キャラがかわいらしい姿を現す。絵描き歌は1960年代半ば、NHK「うたのえほん」(『みんなのうた』の前身)で放送されたのが始まりのようだ。私の場合、幼稚園でお絵かきの時間に教わった記憶がかすかに残る。小学生になればノートに落書き。学生時代は立体像を想像して真横、真上、真下から描いたことも。オッサンになった今は目をつぶってでも描ける域に達した。

 印象深い作品だから相当な敏腕クリエーターの存在を思い浮かべるところだが、実は歌も絵も「作者不明」。キャラの正体はアヒルなのか。人間なのか。それとも「ドラえもん」のように未来からやって来たロボットなのか―。かなり謎に包まれている。

 インターネットでいろいろ調べると、このキャラがあふれ返るサイトにたどり着く。「コックさん」をモチーフにしたグッズの企画や製造販売を手掛ける会社「オムテモワン」(川崎市)のホームページ。96〜97年、絵描き歌で完成した絵(イラスト)を商標登録し、Tシャツやエプロン、フィギュア、キーホルダーなど30種類超を展開しているのだ。

 社長は57歳の松田金士さん。91年に会社設立後、東京の居酒屋で友人たちと食事中、何気なく店のナプキンに「コックさん」を描いたら全員に受け、松田さんは「これだ!」とひらめいた。その後、キャラを手描きしたプリントTシャツを原宿の路上に並べたところ、家族連れなどに好評。やがてあるスタイリストの目に留まり、お笑いバラエティ番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」でダウンタウンの松本人志さんがTシャツ姿で出演。これを機に本格的な商品展開に乗り出した。

木村貴之(きむら・たかゆき)<br />
1994年に西日本新聞社に入社。好きな映画は「椿三十郎」「八つ墓村」「カンフーハッスル」「キックアス」…。愛聴の音楽はレッド・ツェッペリン「貴方を愛し続けて」、エゴ・ラッピン「色彩のブルース」、里見洋と一番星「新盛り場ブルース」など。









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