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「温泉総選挙」ぬるい審査 架空アドレスも投票受け付け 国の“お墨付き”に疑問の声

2017年11月14日 03時00分 更新

記者:笠島達也

 環境省や観光庁など政府の後援を受け、東京の企業が7〜10月にネット投票などで全国の温泉地をランク付けしたイベントが、1人で何回でも投票できる仕組みだったことが分かった。ホームページにメールアドレスを打ち込むだけで、架空のアドレスでも投票でき、一部の温泉地では「組織票」を投じる動きもあった。信頼性の乏しいランキングに国がお墨付きを与えた格好で、識者から疑問の声が出ている。

 イベントは「温泉総選挙」と称し、公的イベントを手掛ける「ジャパンデザイン」(東京)が昨年に続き実施。「うる肌」「絶景」など9部門でランク付けする。今月10日に結果が発表され、九州では長崎県の島原温泉、熊本県の人吉温泉、大分県の別府八湯などが上位にランクインした。

 昨年は専門家の選考で順位を決定したが、今回はネット投票などでランキングする方法に変更。ただし、本人確認の仕組みがなく、架空アドレスでも受け付けていた。各温泉地のイベント開催時には特定の用紙での投票も受け付けたが、記名さえあれば有効で、九州のある温泉地では観光関係者が1人で数十人分投票していたケースもあった。

 同様に温泉地をランキングしている旅行情報サイト「じゃらんnet」では、登録会員のみが投票できる仕組みになっている。

 本紙の指摘を受け、ジャパンデザインは最終集計時に記入されたアドレスにメールが届くか確認するなどして、ネット投票数の約35%に当たる約41万票を除外したと説明した。1人が複数のアドレスを使い分けて投票しても分からないため、「組織票」が混入した可能性がある。

 後援した環境省温泉地利用保護促進室は「企画は主催者に任せていた」と説明。当初は各部門の5位までを対象としていた大臣賞などは「ランキングと切り離して選考する」(観光庁)という。同社の山下太郎社長(41)は「できるだけ気軽に投票してもらうつもりだった」と述べ、次回から改善するとしている。

 佐賀大の畑山敏夫教授(政治学)は「信頼性を欠くランキングがまかり通ると、温泉地によっては不当に低い評価を付けられかねない。国は最低限の確認はすべきだった」と指摘している。










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