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森きらら再編 抜本見直し 来園者減、ゾウ急死、施設老朽化 佐世保市、年度内にも新構想

2017年11月15日 03時00分 更新

記者:梅沢平


  • 10月に19歳になったライオンのアサヒ

 長崎県佐世保市の第三セクターが運営する九十九島動植物園森きらら(同市船越町)の再編計画について、市は抜本的な見直し作業に入った。計画に基づいて2009年度から新施設の導入などを進めてきたが来園者数は伸びない上、昨年9月には人気を集めたアジアゾウ「ハナ子」が急死し、計画の続行に影を落とす。開園56年で施設の老朽化や動物の高齢化も進む中、将来を見据えた全体像を描き直す必要に迫られており、市は本年度中にも新たな園のあり方を示す構想を定める意向だ。

 市は園再編のため09年度から30年度まで4期にわたる活性化基本計画を策定。第1期の09〜13年度、フンボルトペンギンが泳ぐ様子が観察できるペンギン館や、テナガザル用の巨大雲梯(うんてい)、ツシマヤマネコの展示舎など総額約12億円を投じて整備した。しかし、13年度の来園者数は約23万2千人で、基本計画で見込んでいた29万人には遠く及ばなかった。

 市は直接運営していたが、15年度に指定管理者制度を導入。市の三セク「させぼパール・シー」が運営に乗り出した。それでも来園者数の減少傾向は止まらず、市観光課は「新施設ができても動物が慣れるのに時間がかかり、施設の特長を生かせなかった」と計画の甘さを漏らす。追い打ちを掛けるように、集客力があった「ハナ子」が急死。園の中心にあるゾウ舎を残して整備する基本計画は根本的な見直しを迫られた。

 一方、1961年開園の施設の老朽化は進むばかり。飼育している動物の高齢化も顕著で、10月に誕生日を迎えたライオン「アサヒ」は19歳。ライオンの国内最高齢は24歳6カ月で、アサヒも老齢に入る。1頭しかいないヒトコブラクダ(22歳)やアジルテナガザル(29歳)なども高齢だ。

 ただ、新たに動物を飼育しようにも、ワシントン条約で野生動物の国際取引は規制され、海外からの購入は国との調整や費用面で困難。繁殖目的ならば導入できるが、園には複数頭を飼育できる獣舎は少なく、繁殖できても引き取ってもらえる他の施設との交渉など課題が残る。

 市は園の将来像を検討する中で、新たな大型動物を導入する「拡充型」や小動物との触れ合いを中心とする「縮小型」など、さまざまな選択肢を視野に置いている。大山高清園長は「将来像をどう描くか。取捨選択が必要になる」と話す。財源という大きな課題を抱えながら、市民に愛される施設にする構想をどう打ち出すか。園が迎えた大きな岐路とも言える。










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