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岐路に立つ“官製婚活” 福岡・筑豊地方 本年度は飯塚、嘉麻市だけ

2017年12月10日 03時00分 更新

記者:田中早紀


  • 宮若市の廃校で行われた学校の「授業」を模した婚活イベント。「体育」として男女がフォークダンスを踊る

「成果ない」「参加者集まらず」

 福岡県筑豊地区で行政主体の婚活事業が岐路に立たされている。15市町村のうち、本年度に実施・計画しているのは飯塚、嘉麻の2市のみ。昨年度以前に実施していた6市町村は「成婚に至らなかった」などの理由から1〜3年程度で取りやめた。行政の代わりに商工会などが存在感を示す地域もある中、“官製婚活”はどこへ向かうのか。

 「あちらの○○さんと話してみませんか」−。宮若市の若宮商工会が主催する、廃校での婚活イベント。意中の相手に声をかけられない男女のためにスタッフが「お節介」を焼く。同会主催のイベントは4年目で、過去3回連続で成婚させている。

 「成婚したカップルを地元に定着させ活性化につなげたい」(同商工会)と観光協会や社協が取り組み始める中、行政主体の婚活事業は定着していない。昨年度以前に実施し継続を断念したのは田川市、川崎町、鞍手町、小竹町、添田町、赤村。登山イベントや陶芸教室など、趣向を凝らした企画を実施していたが、いずれも成婚の報告はなかった。

 やめた理由は「費用対効果が良くない」「参加者が集まらない」など。男女各10人の募集に、1人しか応募がなかった自治体もある。行政主体のため、民間企業のように女性だけ安くする、年齢制限を設けるなど柔軟な設定ができない点も理由に挙げられた。昨年度に2回実施した川崎町は、本年度予算に婚活事業費として65万円を計上していたが、「他のイベントの関係で会場や人員確保が難しい」として、具体的な実施予定は立っていないという。

     ◇    ◇ 

 本年度も計画・実施している飯塚・嘉麻の両市では複数組が成婚して、今後の開催にも意欲的だ。本年度で8回目の飯塚市では5組が結婚している。本年度からはデザイン会社「トーン」(同市忠隈)に事業委託し、イベントで誕生したカップルの追跡調査にも力を入れるという。同社担当者は「成立したカップルはもちろん、成立に至らなかった人たちの連絡の仲介もしている」。フリーペーパーの発行も手がけ、筑豊地区の飲食店情報を豊富に持つため、デート場所の提案もしているという。嘉麻市は過去4年間で3組を誕生させており、本年度は第三セクターの「嘉麻スタイル」にイベントを任せている。

 自治体の婚活事業支援を行う日本結婚支援協会(盛岡市)の田口智之代表は「交際期間もあり、成婚報告が入ってくるのは開始から3、4年目くらい」とし、「報告がないからといってすぐやめるのはもったいない」と話す。

 今後は「小さな自治体の場合、女性は知人に会いたくないと考え、参加者が減る。その意味でも、自治体間での広域連携が必要」と指摘した。










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