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ブラックフライデーは「暗黒の金曜日」?

2017年12月07日 03時00分 更新


  •  製品の検査データ改ざんについて謝罪する(右から)三菱電線工業の村田博昭社長と三菱マテリアルの竹内章社長ら=24日午後、東京都千代田区

  • 伊東秀純(いとう・ひでずみ)
    大阪生まれ、兵庫育ち。北海道大卒。1998年、西日本新聞社入社。地域報道部、久留米総局、編集センター、大村支局などを経て、2015年8月から東京報道部。出身地を離れて20年以上、普段は関西弁で話しません。

 「ブラック・フライデー」をご存じだろうか。

 米国の感謝祭(11月第4木曜日)翌日の金曜日のことで、同国ではクリスマスセールの幕開けとされている。買い物客が小売店に殺到して、店にとっては「黒字(ブラック)の金曜日」ということだ。

 日本でも近年は、売り上げが伸び悩む11月の消費喚起を狙って、スーパーのイオンや玩具店のトイザらスなどがセールやイベントを行っている。

 今年は11月24日がブラックフライデーにあたり、日本では「プレミアムフライデー(プレ金)」の日でもあった。

 プレ金は今年2月にスタート。「月末の金曜日の終業を早めて、レジャーや買い物など『自分時間』を有意義に過ごしましょう」といった掛け声のもと、官民挙げて推奨した。

 だが、人手不足の企業を中心に「忙しい月末に休めるわけがない」といった声も多く、今年7月時点の調査で早く退社できた人はわずか1割程度。一方で「プレミアムフライデー」という言葉だけは、9割の人に浸透するという皮肉な結果に陥っている。

   *    *

 その「ブラックかつプレミアムだったフライデー」の11月24日夕方、私は東京都内である記者会見に出ていた。

 内容は、非鉄大手の三菱マテリアル子会社による検査データ改ざん。親会社の社長らによる会見は約2時間に及んだ。

 そのちょうど1週間前(同17日)は日産自動車が横浜市の本社で無資格者検査に関する会見。そのまた1週間前(同10日)は神戸製鋼所が都内で検査データ改ざんに関する会見を開いた。一連の不正が明らかになった今秋以降、毎週のように金曜日夕刻は長時間の会見が開かれていたのだ。

 株式市場が閉まる午後3時以降に、しかも休みの土日を前にした金曜日に会見を設定するところに、株価への影響をできるだけ回避しようとする不正企業のあざとさが透けて見える。

 しかも、企業からの会見の案内は決まって当日の数時間前だ。

 金曜日ではなかったが、会見まで30分しかなくて遅刻したことも。3連休の中日の昼に当日夕刻の会見の連絡をしてきた企業まであった。駆け付けられる報道陣の数をちょっとでも少なくしようという意図があったかどうかは不明だが、「セコいことするなあ」という印象はぬぐえない。

 他社の記者たちとは「金曜日の不正会見がすっかり定例化しちゃったね」とぼやき合い、金曜午後の予定はできるだけ空けておくようにしている。

 先週の金曜日、12月1日には不正に関する会見はなかったが、私自身は風邪をこじらせて仕事そのものを休んでしまった。

 後日、ふと気になって妻に「ブラック・フライデー」を知っているかどうか聴いてみた。

 すると妻は「ああ、知ってる知ってる。株が大暴落した日でしょ」。1987年の世界同時株安を引き起こしたニューヨーク市場の「ブラックマンデー(暗黒の月曜日)」と思い違いをしているようだ。

 ただ、私の気分はまさしく「暗黒の金曜日」。妻の勘違いには苦笑するしかなかった。

 そういえば、あす8日は……フライデーが「怖いでー」。










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