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「…アピールのコツって、あるのでしょうか」学生ではなく、企業が悩む【刺さった一言・人事編】

2017年12月15日 03時00分 更新

記者:福間慎一


 もう一つ話題になったのは「内定辞退」への対策だった。せっかく内定を出すことができたのに、入社を目の前にして去られる――。企業にとって最もつらい「悲劇」もすでに、日常茶飯事と言って良さそうだ。

 就職情報サイトを運営するリクルートキャリアの調査では、来春卒業予定の大学生の「内定辞退率」は10月時点で64.6%。同社が集計したこの6年間で最も高い。建設会社の担当者は「ウチより大手の○○(トークでは実名)に内定が出たので、と申し出られると返す言葉もない…」と肩を落とす。

 どうすれば防げるのか。「内定後に学校推薦を取ってもらう」「内定後に、学生と、同じ学校出身の先輩社員、人事の三者面談をして、悩みを解消していく」――。各社も知恵を絞っている。

 「100%(入社を)希望する、と言うまで内定を出さない」という「じらし作戦」も挙がったが、共通していたのは、学生にとって「特別な存在になる」という努力だった。「たくさん持っている内定企業カードの1枚になってしまったら、負け。そうならない工夫を考えないと」(建設業)。

 「東京の大手企業はどんどん九州に人を取りに来ている」。そう危機感を訴える声もあった。すると、福岡県外の企業の担当者がこう返した。「こっちには、福岡の会社がどんどん来て、採用を強めている」。

 そして別のサービス業の担当者の言葉に、みんな息をのんだ。

 「人材を採るには、倫理憲章を守らない以外にないですよ」

 倫理憲章とは、経団連が発表した、3月1日以前に採用選考の広報活動を行わないという「指針」のことだ。担当者は続けた。「自分たち地方の中小企業がそこに従っていたら、いつまでも採用できない」

◇   ◇

 「就職戦線異状なし」。バブル期の1991年にヒットした映画が懐かしい。あれから四半世紀を経て、すでに就職戦線そのものが消えつつあるのか。少なくとも九州の「採用戦線」が、し烈を極めているのは間違いない。

「『人事』だらけの生トーク」ではテーマ別に静かに白熱したやりとりが続いた=12日、福岡市博多区のグロービス経営大学院福岡校
3月1日、就職活動で会社説明会の会場を埋め尽くした大学生たち=福岡市博多区









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