ようこそ ゲスト様

qBiz 西日本新聞経済電子版

東京コラム

一覧ページへ

子どもの虐待は、人ごとじゃない

2017年12月21日 03時00分 更新

記者:新西ましほ


  • 新西ましほ(しんにし・ましほ)
    鹿児島市出身。2006年入社、日田支局、長崎総局、生活特報部を経て14年5月から東京支社報道部。男女共同参画や働き方改革などをテーマに、生活面を中心に執筆。私生活では、新米ママとして奮闘しています。

 わが子に手を上げるなんて、理解できない。

 児童虐待のニュースに触れるたび、そう思っていた。でも、実際に子どもを持った今、「人ごとではないな」と思う瞬間がある。

 あやしても、抱っこしても、授乳しても泣きやまない深夜。最初は「大丈夫だよ」と優しく声をかけていても、1時間たてば無言に。2時間たつと「なんで泣くの」とイライラ。3時間もたつと疲れ果てて、このまま家を出て行ってしまおうか、口をふさいだら泣きやむだろうか、いろいろな思いが頭をよぎる。

 そんなときは、一度部屋から出て水を飲む。それでもダメなら、夫に交代してもらう。少し冷静になって、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった娘の顔を見ると、ひどいことを考えてごめん、と罪悪感が押し寄せてくる。そして、踏みとどまることができてよかったとほっとする。

 昨年、育児情報サイトが妊娠中や育児中の女性に実施したアンケートで、児童虐待が「人ごとではない」と感じる人は7割に上るという結果が出ていた。

 もし周囲に頼る人もなく、相談できる相手がいなかったら…イライラを子どもにぶつけてしまうことがあるかもしれない。そう考える人は、少なくないようだ。

 子育て支援センターや行政の育児相談など、悩みを相談できる場所は確かにある。でも、子どもの相手に疲れ果てて、そういう場に行く元気がない人はいるし、「交流の場」が苦手という人だっている。

 そんな人たちに対する支援策として始まったのが、ボランティアによる訪問型子育て支援事業「ホームスタート」だ。乳幼児がいる家庭に「近所のおばちゃん」が遊びに来て、悩みを聞いたり、子どもと遊んだり、家事を手伝ったりするというものだ。

 取材をする中で、近所づきあいが濃密だったかつては、「おばちゃん」の存在は当たりだったと聞いた。サービスの利用者は、親や友人が遠方にいるなどの事情で、頼る人がいない人が多いそうだ。手助けで楽になるだけでなく、最も大きな効果は、子育てを「周囲の人に頼っていい」と気づかされることだと感じた。

 事業は各地で子育て支援団体などが実施しているが、残念ながら私の住む地域には実施団体がない。もしあれば、産後手伝いにきてくれた母が帰ったタイミングで、ぜひ利用したかった。

 現在、利用できるのは全国に95地域。どの地域でも利用できるように広がってほしいと願っている。










コラム qBizコラムの最新記事



そもそもqbizとは?

Recommend

ランキング

Recommend

特集 最新記事

コラム 最新記事