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アンチ大量消費? 福岡に熱い哲学のカバン店

2017年12月24日 03時00分 更新

記者:木村貴之


  • 入り口に置かれた大きな革製リュックサックが目を引く「ポルコロッソ薬院本店」=福岡市中央区薬院3丁目

  • 案内されたビジネスバッグ(左)とショルダーバッグ。無駄を省いたデザイン、使い勝手の良い構造、頑丈な作りで人気らしい

  • 薬院本店の工房で黙々とカバンの製造に取り組む女性職人ら

 使い古した財布の新調をと考えていたら、気になる店を見つけた。福岡市に本社を置く革製品メーカー「ポルコロッソ」の薬院本店。自前で生産したカバンや小物類を手頃な価格でそろえ、店内の工房で購入後の修理や再加工にも対応している。商品のコンセプトは「20年後、息子に譲るモノ」。私に息子はいないが、妙に庶民派の消費心理をくすぐられた気がする。

 本店は4階建てビルの1階。200平方メートル弱のスペースに商品約200点が並ぶ店舗、ミシンや作業台が連なる工房がある。企画担当の池田宜弘さん(32)が案内してくれたのは、ビジネスバッグ(6万3720円)とショルダーバッグ(5万8104円)。ともにしっかりした作り、飽きの来ないデザインで「革の経年変化を楽しみながら数十年は使えます」と池田さん。注文製造にも応じており、使い勝手最優先のこだわりが伝わる。お目当ては財布だったが、目移りしそうになった。

 同社は1998年創業。もとは国内外のブランド品を取り扱うセレクトショップを展開していたが、転機が訪れた。商品の修理を頼まれても、費用がかさみ、長期間を要するなど顧客ニーズに応えられない場面が相次いだ。そこで池田達昭社長(53)が一念発起して2013年、独自ブランド「PORCO ROSSO」を設立。職人を育て、自社で製造・販売、修理にも応じる態勢に変えた。


7年前に購入し、使い古したマイ財布。角の芯は折れ、一部糸がほつれているが、まだまだ使えそう。ポルコロッソによると、使い込んだことによる経年変化は「自分らしさ」を物語るものらしい。
木村貴之(きむら・たかゆき)<br />
1994年から西日本新聞記者。趣味は釣りとエレキギターの手入れ。好きな映画は「椿三十郎」「八つ墓村」「ナチョ・リブレ」。音楽はレッド・ツェッペリン「貴方を愛し続けて」、寺井尚子「ジャズ・ワルツ」、里見洋と一番星「新盛り場ブルース」









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