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「和牛日本一」PR合戦 鹿児島=総合、宮崎=肉牛、大分=種牛 「幾つあるの」戸惑いも

2018年01月15日 03時00分 更新

記者:古川剛光


  • 鹿児島市のJA鹿児島県会館の正面玄関に展示されている「日本一」の巨大パネル(撮影・稲葉光昭)

  • 「宮崎牛日本一」ののぼり旗を掲げた宮崎市の鉄板焼きステーキ店。多くの客が訪れている=いずれも2017年12月

 5年に1度の「和牛五輪」と呼ばれ、2017年9月に開かれた全国和牛能力共進会(全共)で、好成績を収めた鹿児島、宮崎、大分の各県がそれぞれ「和牛日本一」を名乗り、PR合戦を展開中だ。20年の東京五輪を見据え知名度アップ、輸出拡大を狙うが、消費者からは「日本一が幾つもあるの」と戸惑いの声も聞こえてくる。

 各部得点を集計し競う団体賞を初受賞した鹿児島県。「総合優勝 日本一」をPRし、JA鹿児島県会館の正面玄関に巨大パネルが登場した。鹿児島黒牛は在欧州の日本大使館のレセプションで提供されたほか、17年11月の競りでは子牛が高値で取引された。県畜産課は「大河ドラマや明治維新150周年効果で増えると見込まれる観光客にも味わってもらいたい」と意気込む。

 一方、食肉処理した肉質を審査する「肉牛の部」で最高の内閣総理大臣賞を受賞した宮崎県。牛海綿状脳症(BSE)の影響から日本産牛肉輸入が16年ぶりに解禁された台湾では、宮崎牛が再開第1号として17年9月末に到着した。「日本頂級和牛」として現地の新聞やテレビなどで繰り返し紹介され、注文が相次ぐ。県畜産振興課は「肉牛日本一は国内外の消費者にアピールしやすい」と語る。

 大分県は体形や毛並みの良さで競う「種牛(しゅぎゅう)の部」で47年ぶりに内閣総理大臣賞を受賞した。「牛は豊後が日本一!!」とPRし、県内のスーパーでは「日本一おおいた 豊後牛フェア」が開かれ、にぎわった。県畜産振興課は「18年以降の国民文化祭やラグビーワールドカップ日本大会でもPRしていきたい」。

 九州7県で飼育する肉用牛は全国の4割近くを占める。一方で九州の銘柄牛は、松阪牛や神戸牛などの全国ブランドと比べ後発となり、大都市圏での知名度と販売価格はいまひとつ。赤身肉の輸入急増といった消費者の好みの変化や和牛農家の高齢化など、経営環境も厳しさを増す。

 全共を主催する全国和牛登録協会(京都市)によると、あくまで「和牛改良の方向性のお手本を示すのが目的」。日本一の明確な定義はなく、PRは各産地の自由とするが、販路拡大や生き残りへ向け「日本一」の称号は大きい。戸惑う消費者の一方で、商戦はまだまだ収まりそうにない。










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