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脱ひきこもり、若者後押し 福岡市の団体「寄り添い、将来考えたい」

2018年01月23日 15時00分 更新

記者:山下真


  • 若者と向き合い、じっくりと話を聞く鳥巣正治さん=18日午後、福岡市早良区

面談で自信  9人が就労、進学

 ひきこもり気味になったり、仕事が長続きしなかったりする若者を対象に、福岡市早良区の団体「福岡わかもの就労支援プロジェクト」が支援活動を続けている。代表の鳥巣正治さん(59)が面談で自信を回復させ、これまでに9人が就労や進学を決めた。2月以降は新たに県内三つの拠点を設ける計画で、鳥巣さんは「社会に適応できない若者に寄り添い、ともに将来を考えたい」と意気込む。

 「集中力が続かないのなら、時間を区切って少しずつ書いてみて」

 早良区高取1丁目のマンションの一室にある事務所。大学への編入試験を受ける男性(23)に、鳥巣さんが論文の書き方を助言する。

 男性は高校、短大時代、人間関係がうまくいかず、引きこもった経験がある。不安といらだちから家族に暴力を振るい、警察に通報されたことも。将来に思い悩んでいた頃、父の勧めで同団体を訪ねた。

 鳥巣さんが取り組んだのは、週1回の「コーチング」。1対1の面談を重ね、悩み事や半年先の目標を聞き出す。信頼関係ができたら、次は成功体験の積み重ね。自己紹介文を書いてもらい、ホームページで公開する。半年続けると、男性は少しずつ前向きさを取り戻し、現在は教員免許の取得を目指している。

 「ひきこもりの若者は自分の思うように人生を歩めず、自信をなくしている。話を聞き、自己肯定感を回復させるのが大切」と鳥巣さん。

 鳥巣さんは東京のソフトウエア開発会社に勤め、仕事で挫折する若手の支援を担当していた。早期退職後に出身地の福岡県に戻り、2015年春に団体を結成した。個人や法人からの会費で運営している。

 3年間で支援を終えたのは9人。このうち、ひきこもりを16年続けた30代男性は、3カ月の研修を経てコンピューター関連会社に就職した。9人は今も花見やバーベキューに参加し、ほかの研修生にひきこもりからの就労体験を伝える。

 さらに支援の輪を広げるため、2月に朝倉市、3月に糸島市に支部を結成。4月には宗像市のNPO法人と連携して若者の自立支援に取り組む計画だ。

 鳥巣さんは「うちには、国や県の就労支援機関になじめず、そこからこぼれ落ちた若者も来る。少人数でじっくり支援を続け、力を引き出したい」と話す。福岡わかもの就労支援プロジェクト=080(5456)6060。

15―39歳ひきこもり 県内推計7000人

 内閣府や福岡県によると、2015年度の若者の生活実態や意識の調査では、15〜39歳で近くのコンビニなどを除いて自室や家から出ない「狭義のひきこもり」は全国で17万6000人に上り、県内では7000人と推計されている。

 県は「ひきこもり地域支援センター」を設置し、家族の相談対応や自宅への訪問支援に取り組んでいる。16年度には578件の相談が寄せられた。










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