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老舗の味襲う人手不足 料亭「稚加榮」ランチ休止、そば店「飛うめ」支店撤退 福岡市中心部

2018年02月03日 23時56分 更新

記者:木村貴之


  • 昨年12月31日の営業を最後に閉店した飛うめ天神地下街店跡。現在は新たなテナントの入居に備えた改装準備が進む=1月29日、福岡市中央区天神

  • 飛うめ天神地下街店で一番人気だった「かしわそば」(720円、おにぎりは別売り)。支店はなくなったが新天町本店で味わえる


業績は好調

 飛うめは、戦後間もない47(昭和22)年に、福岡市中央区の新天町商店街の一角で創業した。76年の天神地下街開業とともに支店を構え、会社員や買い物客らに親しまれてきた。

 支店は調理場とホールにそれぞれ6人の社員がいたが、団塊世代の退職が相次ぎ、ホールは全員がパート従業員に。近年は外国人観光客の団体が急増し、本店から応援スタッフを派遣してしのいできたものの、本店の要員態勢にも影響が出始め、やむなく支店の撤退を決めたという。

 巳城(みき)恒介社長は決断の理由を「業績は好調だったが従業員が疲れ、サービス低下が懸念された。創業71年の信頼を守るため本店に絞った」と打ち明ける。

ミスマッチ

 人手不足の背景には、求人と求職のニーズが一致しない雇用のミスマッチもある。

 ハローワーク福岡中央によると、昨年12月時点で飲食の調理職は求人数2173人に対して求職者数520人、接客職も求人993人に対し求職423人にとどまる。一方、一般事務職は求人2706人に対し求職6740人に上る。同ハローワークは「飲食店の書き入れ時となる夜間や週末の就労を敬遠する人が増え、ミスマッチにつながっている」と分析する。

 福岡市中央料飲店組合(約220店加盟)によると、人手不足は数年前から深刻化。「飲食店でのアルバイトを希望する学生も減り、募集を掛けても反応があるのは、いずれは帰国してしまう外国人留学生ばかり。担い手を育てられない」という。

 稚加榮の田原靖之専務は「お客さまに喜んでもらうために腕を磨く板前や仲居はとてもやりがいのある仕事。いつか時代が変わり、営業態勢が整えば、ランチを再開したい」。飛うめの巳城社長は「支店のそば釜は今も保管している。事務職にAI(人工知能)の導入が進めばミスマッチは多少改善するはず。そのときに備えたい」と話す。

稚加栄が2月25日で提供を終える名物のサービスランチ。新鮮な刺身と天ぷらを中心にした会席料理風の和定食(写真)のほか、特製そば定食もある。ともに1500円
稚加栄福岡本店の本館入り口前で、限定400食のサービスランチ目当てに行列をつくる人々=福岡市中央区大名









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