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投稿したら「お金」がもらえる!? 新しいメディアの可能性

2018年02月06日 03時00分 更新

記者:井上直樹


  • 1月下旬、福岡市で開かれた「ALIS」の賛同者のミートアップ

  • 井上直樹(いのうえ・なおき)
    記者。鹿児島銀行、熊本日日新聞社を経て、2014年西日本新聞社入社。経済部に所属後、17年夏から西日本新聞メディアラボ兼ビジネス開発部。熊本県出身。

 フェイスブック、ツイッターに文章を投稿して「お金」をもらったことがある人はいないと思う。私はまだ、ない。

 「ALIS(アリス)」(東京)が今春立ち上げる同名のソーシャルメディアプラットフォームは、それを可能にするかもしれない。技術のベースには、今何かと話題の「仮想通貨」、そしてブロックチェーン技術がある。※ALISのサイトはこちら

 昨年末、北九州市出身の安昌浩CEOを東京で取材した。

 ALISが公開を準備しているサービスは「信頼できる記事と人々を明らかにする全く新しい報酬システム」―を掲げる。仕組みはこうだ。個人がアカウントをつくり記事を投稿する。他の利用者がその記事を「いいね!」のような形で良い評価をすると、記事を書いた人に「トークン」という形で報酬が支払われる。また、多くの人が「良い」とする記事を先に、早く見つけた人などにも報酬が与えられる予定だ。この「トークン」は、ビットコインのようにブロックチェーン技術を基盤にしており、代替「貨幣」や「ポイント」のようなものだ。ALISは仮想通貨の取引所で他の通貨などと交換できるようにする方針で、既に売買が可能な海外取引所もある。

 なぜこんなサービスをつくるのか。彼らが掲げたのは「質の高い記事を評価する仕組み」だ。インターネット上の記事の収益は、多くが広告をベースにしたものになっている。そのため、クリック数を求め、フェイクニュースや釣り見出し(このコラムもそう?)、コピー記事などが氾濫するようになった。誰もがページビューを目当てに注意を引いている。安CEOは「広告のような記事や詐欺まがいの記事もある。ネット空間が気持ち悪いものになってしまった」と語る。

 彼らはサービス概要を公表し、昨年9月、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)という仮想通貨での資金調達を実施、4千人以上から当時のレートで4・3億円分の資金を得た。

 1月下旬、福岡市で出資者らが集まるミートアップが開かれた。参加したある男性は「最初は金もうけのつもりだった」と語った。ただ「サービスに関する質問にすぐ返信する対応に、誠実さを感じた。今後の成長を信じたい」と語っていた。

 ALISのソーシャルメディアサービスは今年4月に限定的に開始、10月に一般公開予定という。成否はこれからだ。コインチェックの仮想通貨流出など、仮想通貨を取り巻く世論は厳しくなった。それでも「品質の高い記事に報酬を」という理想からは目が離せない。記事の品質と収益をどうつなげるか。報道の永遠の課題を考える上で、刺激をもらった。










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