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旦過市場、再整備前の情緒 演劇や探訪ツアーで発信 北九州市

2018年02月12日 03時00分 更新

記者:諏訪部真


  • 「スタヂオタンガ」で開かれた旦過市場関係者への企画説明会で語る仲沢善優さん(右端)=1月25日

  • 旦過市場の探訪ツアー。演劇ユニット「PUYEY」の高野桂子さん(左)も案内した=1月27日

 「北九州の台所」として親しまれる旦過市場(小倉北区)。再整備で雰囲気が一新されるのを前にその魅力を演劇や探訪ツアーで発信しようとする企画が進んでいる。

 「旦過市場を訪れる観光客は増えている。その人たちに思い出を持ち帰ってもらう企画」

 5年ほど前に宮崎県から引っ越してきて同市場に菓子店を出した仲沢善優さん(42)がその目的を説明する。仲沢さんは市場内の空き店舗を改装し、演劇の上演など企画の拠点となる多目的スペース「スタヂオタンガ」を整備した。

 上演する演劇は3本。北九州市とその近郊を拠点とする劇作家の穴迫信一さん、泊篤志さん、守田慎之介さんがそれぞれ市場の記憶や思い出を物語へ「詰める」をキーワードに茶店や鯨肉店、精肉店からエピソードを集め、脚本に詰め込んだ。気軽に見られるよう1本の長さは20分とした。3月末に披露する。

 インタビューを受けた「戸根食肉」の松田角二さん(79)は「『物好きな人もいる』と思ったけど、昔のことを思い出して楽しく話せた」。演劇も「ちょっと恥ずかしいけど見てみたい」と楽しみにする。

 演劇と同時に、土産物となるオリジナル製品の準備も進む。旦過市場にちなんだデザインのポストカードやバッグを想定する。

   ☆      ☆

 火災の危険や老朽化などが課題となっている旦過市場の再整備計画は2016年6月、商店主を中心とする準備委員会がまとめた。「昭和のレトロな雰囲気を生かす」「川を生かした空間をつくる」などの方向性で、18年度中に区画整理組合の設立を目指す。

 計画では市場に5棟の建物を建てる。このうち4棟は2階建て(1〜2階が店舗)。1棟は3階建てで屋上に駐車場を設ける。市場横を流れる神嶽川への店舗せり出しを解消し、川沿いに休憩スペースを置くことも検討している。現在のイメージはがらりと変わりそうだ。

 1月27日、演劇ユニット「PUYEY」の高野桂子さんや守田さんら地域の演出家、劇作家が独自の視点で市場を案内するツアーがあり、約40人が参加した。守田さんは市場2階に着目し「かつて商店の上には人が住んでいた。目線を上に向けると、思わぬ昔の面影が見つかるかも」と参加者に語り掛けた。

 クイズに答えたり、再整備後のイメージ図を見たりしながらの案内もあった。「市場の姿が変わった後、今の雰囲気を思い出してほしい」との狙いからだ。

 仲沢さんは「失われそうになっている市場の情緒は、よそから来た身としてはとても魅力的。演劇もツアーも旦過の良さを伝えるプログラムとして育てたい」と意気込んでいる。










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