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打って良し 食べて良し そば打ち、記者が体験 「意外に重労働」実感

2018年02月12日 03時00分 更新

記者:富田慎志


  • こねて生地にする作業に挑戦する記者。なかなかの重労働で腰が痛くなった

  • 麺棒で生地を薄く平らに延ばす作業を実演する石川さん

  • そば切りの作業。均等な太さになるよう切るのは思ったよりも大変

  • 打ちたてのそばの味は格別

 そば打ちを楽しむ人が年々増えているらしい。かつては定年後の趣味にする男性が多かったが、最近は若者にも人気という。用意する食材が少ない手軽さと、打ち手の技量で味に大きな違いが出る奥深さが魅力とか。初心者でもおいしいそばが打てるよう指導してくれる教室はないものか。インターネットで検索すると「自分で打ったそばで舌鼓を打ってみませんか」との誘い文句を発見。無類の麺好きの血が騒いだ。

 やって来たのは宗像市の「正助ふるさと村」。そば打ちのほか、土釜ピザ作りなどさまざまな体験学習ができる施設だ。子ども会など団体での申し込みがメインらしいが、この日の生徒は私一人。そば粉だけを使ったいわゆる「十割そば」を打つことになった。

 そば打ちの工程は大きく分けて四つ。そば粉と水を均一に混ぜる「水回し」、一つの塊にする「こね」、生地を延ばす「のし」、そして専用のそば包丁を使って細く切る「切り」だ。

 最初の工程「水回し」に取りかかろうとすると、講師の石川さちさん(60)から「待った」がかかった。「エアコンを切ります。そばは風が当たるだけで乾燥してしまうことがある」

 そばは繊細、打つ日の気温や湿度によって水の量を変えるのは当たり前。風を避けるため、夏場に窓を閉め切って作業することもあるそうだ。

 仕切り直して、そば粉をこね鉢の中へ。水を加えると、心地よいそばの香りが広がった。少しずつ水を足しながら指でなぞるように優しく混ぜ合わせる。だが、だまが指に絡んでうまく混ざらない。四苦八苦しながら、なんとか幾つかの粉の塊を作った。

 次の作業の「こね」が想像以上の重労働。粉の塊を寄せ集めて球状にした後、手のひらを押し当てるようにしてこねていく。繰り返すうちに額には汗がにじみ、腕や腰が痛くなった。

    □   □

 続いて「のし」に挑戦。生地が薄く平らになるよう慎重かつ素早く麺棒を転がすが、熟練の技にはほど遠い。端がひび割れ、ちぎれてしまう箇所が続出。見かねた石川さんが手伝ってくれた。手際よく棒を使って生地を広げ、わずかな時間で厚さ1・5ミリほどの長方形が出来上がった。

 そばにはタンパク質、ビタミンBなどの栄養分や食物繊維が豊富に含まれている。そば打ちは腕や足腰のほか指も使うので、適度なカロリー消費や脳の活性化に有効とも言われている。「打ってよし、食べてよし」なのが、ブームの理由かもしれない。

 作業はいよいよ大詰めの「切り」へ。ずっしりとしたそば包丁を持ち、折りたたんだ生地を太さ2ミリ程度に切っていく。包丁は引くのではなく、打ち下ろすように切るのがこつだ。「なかなか上手ですよ」。ほめられてペースを上げたのがいけなかったか。太さがばらばらになってしまった。

 切り終えたばかりのそばをゆでてもらい、食べてみた。「う、うまい」。つやのある麺がするすると喉を通り抜けていく。自分で打ったということを差し引いても、打ち立てのそばはやはり絶品だった。

 「家族で来ても楽しめますよ」。松岡満奈巳広報販売課長(45)の言葉にうなずく。次は子ども2人を連れて来て、父の格好いいところを見せるのだ。

   ◇   ◇

 正助ふるさと村のそば打ち体験 1セット(4人前)4千円(税別)。所要約1時間半で、エプロンと三角巾を持参すること。月曜休館(祝日の場合は開館し、翌日休館)。空き状況や開始時間などの確認、予約は0940(35)1100。










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