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【あなたの特命取材班】迷惑メールを追う(上) システム開発者が「からくり」明かす

2018年02月16日 03時00分 更新

記者:吉田真紀、古川努


1日2億通、送信元9カ国に分散

 国民の8割以上が携帯電話やスマートフォンを持つ時代。誰しも、さまざまな文面の「迷惑メール」を一方的に送り付けられた経験があるだろう。詐欺的な内容も含まれ、被害の実例もある。一体誰が、どうやって送信しているのだろう。特命取材班は迷惑メールのからくりに迫った。

 東京都内の駅改札口前。約束の時間通りに、佐藤さん(30代、仮名)は現れた。職業はシステムエンジニア。実は、首都圏のベンチャー企業に勤務していた20代の頃、迷惑メールに関わっていたという。今回、匿名を条件に取材に応じた。

 「ある業者から依頼を受け、大量にメールを送信するためのシステムを開発し、実際の送信業務まで担っていました」

 証言によると、システム自体は特別なものではなく、登録者に一斉送信するメールマガジンと構造は同じという。

 捜査の手が及びにくいように、中国をはじめ、欧州や南米、アフリカなどの9カ国にダミー法人を設立。メールの送受信を管理するメールサーバーを計千台以上、各国に分散して配置した。それらのシステムを、佐藤さんは日本から操作した。1台当たり1分間に7、8万通を送信できる。「1日当たりの送信数は、多いときで2億通を超えましたね」。システム構築のために海外出張も重ね、中国・北京には1カ月ほど滞在した。

 当局の目を意識した対策も。現地で雇ったダミー法人の社長には、いざというときの「捕まり役」との含みで月300万円ほどの報酬が支払われていた。実際、中国で現地の社長ら2人が公安当局に身柄を拘束されたことがあった。「報酬の1、2割を当局の役人に賄賂として渡せばいい。翌日には出てきて、役人と飲みに行ってましたね」

 運営元が露見しないように、ネット上の掲示板に特定の文字を書き込めば、システムの証拠が自動的に消える仕掛けもしていたという。「自分の命が懸かっているから、絶対にばれるわけにはいかなかった」

 では、佐藤さんに依頼してきた業者とは、どんな組織だったのか−。












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