ようこそ ゲスト様

qBiz 西日本新聞経済電子版

家具のまち福岡・大川市 インバウンド誘致に本腰 裸ん行や組子…PVで魅力紹介

2018年03月12日 03時00分 更新

記者:床波昌雄


  • 大川組子の組み立てを体験するアリョーナさん(左)とケレンさん

  • 大川市の風浪宮の大祭「裸ん行」。外国人の参加も受け付けている

  • 「外国人観光客の拠点となるホテルに」。目標を語る大川リバーサイドホテルの江上副支配人

 日本一の家具生産地である福岡県大川市。1800年の歴史を誇る神社「風浪宮」、国指定重要文化財の筑後川昇開橋もある見どころの多い地域だが、それに見合った観光客でにぎわっているかというと疑問だ。現状を打破しようと、大川市は佐賀空港(佐賀市)から約15キロという地の利を生かし、インバウンド(訪日外国人客)の誘致に力を入れ始めた。試行錯誤する現場を訪ねた。 

 大川市によると、2017年の市内への入り込み観光客数は約70万7800人。外国人観光客の統計はないが、数百人〜千人程度とみられる。隣接する柳川市が観光客約131万6千人、うち外国人を約12万4700人(いずれも16年)呼び寄せているのに比べると大きく見劣りする。

 この差を埋めるため、大川市がターゲットに定めたのが佐賀空港と国際便で結ばれている中国と韓国、国内便の飛ぶ関東圏に住む20代〜50代の外国人女性だ。「おいしいものが食べられる気軽な旅行」「体験型の小旅行」をコンセプトに、大川の魅力を発信するため、英語と日本語のプロモーションビデオ(PV)を作成することになった。

 市の元地域おこし協力隊員で映画監督の完山京洪(けいひろ)さん(39)が撮影を担当。大川を訪れた2人の外国人女性によるプライベート風映像などを10分程度の動画にする予定だ。

 2月10日、東京のモデル事務所に所属するケレンさん(22)とアリョーナさん(23)が佐賀空港から大川入り。同日夜、風浪宮の大祭「裸(はだか)ん行(ぎょう)」を見学した。締め込み姿の男性、Tシャツに短パン姿の女性がたいまつを持ち、約3キロの市街地を走る神事で、今年は約500人が参加した。赤々と暗闇を照らし「ワッショイ」の掛け声が響く勇ましい祭りに2人は大興奮。参加者に酒を振る舞う手伝いをしながら「一緒に走ってみたい」と目を輝かせた。

 祭りは地元の参加者が多いが、市外や外国からの参加も受け付けている。「個人参加」の札を掲げ、沿道から盛んな声援を受けた柳川市の看護師、田島弘統(ひろのり)さん(34)は「外国の人にも楽しさを体験してもらいたい」とほほ笑んだ。

 翌日は同市向島の観光施設「大川TERRAZZA(テラッツァ)」で大川組子の組み立てを体験した。小さな頃からビーズ細工が好きだったというアリョーナさんは、約15分で組子コースターを組み上げ「かわいい」とご機嫌。スマートフォンで「自撮り」し、お土産用に購入するほどの気に入りようだった。

 3日間の撮影を終えた完山さんは「有明海の海の幸やイチゴのあまおうなど食べ物も2人に好評だった。観光スポットだけでなく、大川の人の温かさも伝わる映像にしたい」と意気込む。映像は早ければ3月末にも、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開する。

多言語対応のホテル 人気呼ぶ

 インバウンドの宿泊については、既に成果を上げているホテルがある。同市榎津の大川リバーサイドホテルだ。

 ホテルを切り盛りする江上大和(まさかず)・副支配人(45)は米国の大学を卒業後、日米で飲食店を経営した経験を持つ。3年前にホテル入りし、外国人観光客の宿泊を増やすことに力を入れるようになった。

 江上副支配人によると、外国人が宿泊先に求めるのは、やはり言葉が通じるということ。まず英語と中国語、韓国語ができるスタッフを配置した。細かな観光ルートの相談に応じてくれるという評判が口コミで広がり、現在は香港や韓国、タイなどから月平均200人が宿泊しているという。

 大川は九州の中心部にあり、ここを拠点にレンタカーで長崎や熊本などへ足を伸ばせる利点もある。江上副支配人は大川のインバウンド誘致について「夏のエツ料理や酢の醸造蔵訪問、酒蔵めぐりなど、魅力ある体験プログラムを準備できれば、さらに集客は見込める」と期待。「行政と民間が協力し、大川ならではの戦略が実現できれば」と話している。










九州経済 ニュースの最新記事



そもそもqbizとは?

Recommend

ランキング

Recommend

特集 最新記事

コラム 最新記事