ようこそ ゲスト様

qBiz 西日本新聞経済電子版

【あなたの特命取材班】閉園スペワの遊具どこへ 行き先決まらなければ…

2018年03月19日 03時00分 更新

記者:井崎圭


  • スペースワールド入場口前。解体されたザターンの鉄柱が並んでいた=13日、北九州市八幡東区


  • 昨年末に閉園したスペースワールド跡地=2月、北九州市八幡東区(本社ヘリから、撮影・帖地洸平)

 「閉園した後、遊具はどうなるの?」。昨年12月末で27年間の営業を終えた北九州市八幡東区のテーマパーク「スペースワールド」(SW)を巡り、こんな疑問が特命取材班に届いた。特設サイトの取材リクエスト欄でも関心が高い。閉園時のキャッチコピーは「またいつか、別の星で、会いましょう。」。遊具たちは別の星に旅するのか、それとも−。

 3月中旬、SW跡地。フェンスとロープで遮られた入場口の前には、解体された絶叫マシン「ザターン」の鉄柱が並んでいた。残務整理中の男性従業員によると、ザターンのほか、大型プール「ミューナ」の解体作業が完了した。他の遊具のほとんどは閉園時のままという。

 遊具の所有権を持つのは、SW運営会社の親会社である加森観光(札幌市)。加森公人社長に聞いた。「行き先が決まった遊具とそうでない遊具があります」

 同社は北海道を中心に全国各地でスキー場やテーマパーク、動物園、水族館を経営。遊具の一部はそこで再利用するという。ミューナはレジャー施設「姫路セントラルパーク」(兵庫県)に移設。メリーゴーラウンドやコーヒーカップなど幼児向け遊具は、動物園「伊豆アニマルキングダム」(静岡県)で再利用される。

 このほか、複数の遊具についても専門メーカーや商社から購入の打診があり、ザターンと大観覧車の売却先は決まった。「契約上、行き先は言えないが、国内または海外で売却される」(同社)という。

     ■

 では、移設や売却といった「第二の人生」が見えてこない遊具はどうなるのか。残念ながら、スクラップされることになる。1990年の開園以来、園の象徴だったスペースシャトルの実物大模型(高さ60メートル)も例外ではない。

 昨年9月、SWが営業最終日の花火イベントの開催費用をインターネット上で募った際、「10億円を寄付すればシャトルを譲渡する」と呼び掛けて話題になったが、高額寄付者は現れなかった。地域のランドマークにもなっており、地元住民からは「残してほしい」という声が上がる。

 一方、SW跡地に大型複合施設を計画するイオンモール(千葉市)の関係者は「活用するつもりはない。更地での引き渡しを求めている」ときっぱり。

 実は、2005年に加森観光が新日鉄(現新日鉄住金)から経営を引き継ぐ際、ある約束を交わした。閉園した場合、遊具の撤去・解体は設置者が費用面を含め責任を負うという内容だ。つまり、経営譲渡前に設置された大半の遊具は、加森観光が移設・売却しなければ新日鉄住金が責任を持つことになる。

 過去にSWの運営に関わった新日鉄の関係者は「残された遊具はスクラップされ、鋼の種類によって売却されたり、製鉄所で原料として使用されたりするだろう」と推測する。

 「長年愛された遊具だから、できるだけ現状の形で生き残る道を模索してあげたい」と加森社長は話す。加森観光の土地賃借の契約期間は今年6月まで。行き先のない遊具に残された時間は少ない。










九州経済 ニュースの最新記事



そもそもqbizとは?

Recommend

ランキング

Recommend

特集 最新記事

コラム 最新記事