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福銀は「構造改革」、西鉄は「果敢」 地場社長の入社式あいさつを分析してみた(前編)

2018年04月07日 03時00分 更新

記者:福間慎一


  • 12人のあいさつ文、合計24802文字をユーザーローカルのテキストマイニングで分析。全体では当然、「当社」や「皆さん」といったワードが多かった

  • 新入行員の答辞を聞く西日本シティ銀行の谷川浩道頭取(左)=2日、福岡市(撮影・中野雄策)

 新年度が始まり、多くの地場企業で行われた入社式。それぞれのトップは熱っぽく、次代を担う人材に語り掛けた。社長たちはそのあいさつの中で何を重視し、どんな思いを込めたのか。あいさつ文を単語などに分割して、出現頻度などを分析する「テキストマイニング」から、会社の姿が見えるかもしれない――。2回にわたってお届けする。

 対象は▽福岡銀行▽西日本シティ銀行▽JR九州▽西日本鉄道▽トヨタ自動車九州▽九州電力▽西部ガス▽九電工▽トヨタ自動車九州▽岩田屋三越▽安川電機▽TOTO地場大手各社の社長と、福岡市長の計12者のあいさつ文(一部は概要や要約)。ユーザーローカル(東京)が提供するテキストマイニングツール(http://textmining.userlocal.jp/)で分析した。

 まず、全体の傾向を把握するために、12人のあいさつ文、合計24802文字を分析。「当社」や「皆さん」などの一般的な要素を除いて出現頻度が最多だったのは「地域」と「成長」で、それぞれ計30回だった。次いで多かったのは「変化」(21回)。地場大手のトップも、激変する環境を強く意識していることが浮き彫りになった。

 ツールでは、各社トップのあいさつ中で、一つの単語がどれだけ特徴的かを示す「スコア」が表示される。スコアが高い単語を選び出し、その値に応じた大きさで図示する「ワードクラウド」を個別に見ると、各社トップのメッセージが鮮明になった。


◇◇◇◇福岡銀行◇◇◇◇

 福岡銀行で大きかった単語は、<構造改革><少子高齢化>。冒頭に1877年に設立された九州最初の銀行であることを紹介した柴戸隆成頭取。変革への覚悟を促しつつ、「時代が変わろうとも『銀行の信用』や『お客さまとの信頼関係』は守って」と呼び掛け、打開への期待を込めた。


◇◇◇◇西日本シティ銀行◇◇◇◇

 西日本シティ銀行では<ココロ><温かい>というワードが比較的目立つ。谷川浩道頭取は、新入行員への期待に3点を挙げた。第一は、「『温かい心』を持ってほしい」。二つ目は「『チャレンジ精神』を常に抱いて」。三つ目は「自らの頭で考えて」。西日本銀行と福岡シティ銀行という大手地銀同士の合併から12年、規模、収益面だけではなく知名度や影響力においても全国有数となった銀行の担い手としての覚悟を促した。

◇◇◇◇JR九州◇◇◇◇

 JR九州は<グループ><地域><鉄道事業>。青柳俊彦社長は福岡市の複合施設「六本松421」の開業やタイ・バンコクでの不動産事業開始などに触れ、「目指しているのは、やさしくて力持ちの総合的なまちづくり企業グループだ」と説明した。一方で「根幹は鉄道事業だ」とも強調。新入社員に対しては、鉄道の安全を確保することが、全ての事業を成長させる基盤として最も重要だと念を押した。

◇◇◇◇西日本鉄道◇◇◇◇

 西日本鉄道では<地域>と並んで<国際物流><果敢>といったワードの存在感が大きかった。倉富純男社長は「国際物流部門で働く方は『地域』を、福岡で働く方は『世界』を強く意識して」と促した。そしてこちらも鉄道事業者として、「グループ事業の根幹は安全・安心の確保。最も優先されるのはお客さまの安全・安心である」と力を込めた。


◇◇◇◇トヨタ自動車九州◇◇◇◇

 トヨタ自動車九州はやはり<レクサス><モノづくり>。金子達也社長は冒頭に「トヨタ九州は世界を相手にレクサス車を生産している」として高い技術と技能の必要性を説いた。同時に新入社員に求めたのが<問題意識>。「その時に感じた疑問を決して放置しない。それこそが改善のネタであり、皆さんの成長を促すきっかけになる」と述べた。

 各社長に共通しているのは「企業理念」の徹底。さまざまな壁に直面する新入社員にとって、会社の「あるべき姿」は、自分たちが向かう方向を見失わない道しるべになるはずだ。

九州電力、西部ガス、九電工、岩田屋三越、安川電機、TOTOの後編はこちら

テキストマイニング
通常の文章を単語やフレーズに分解して、出現頻度や相関関係を解析する分析手法。マイニングは英語でmining=発掘の意味。製品やサービスに対するコールセンターなどへの客の声を分析することで、評価やニーズ、不満などを浮かび上がらせるなどの用途があり、企業でも導入が広がっている。









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