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オフィスも選べる環境 ペンシル(Q&Aと動画付)

2018年04月17日 03時00分 更新

記者:田中良治


  • 倉橋美佳(くらはし・みか)社長

  • ペンシルのロゴマーク

倉橋美佳(くらはし・みか)社長

 クライアントの担当者が年上でも、ウェブの力をどのように活用すれば売り上げが増えるのかを理論立てて説明しなければならない。プロ意識を持って働く人材を求めている。問題の発見力や解決力も必要だ。

 問題解決に向けた「分析」業務の時間確保と多様な人材の活躍に向け「メイト制度」を導入した。子育てや介護のために労働時間の制約がある人をパート従業員として雇用し、リポートや資料の作成、ウェブサイトのチェックなどをしてもらう。時間外労働が35%減るなど、成果が出ている。

 通勤の負担軽減などを目的に福岡市内にサテライトオフィスを設けたほか、昨年10月には長崎県壱岐市にもオフィスを開設。例えば「子どもの夏休みに合わせ、1週間くらい壱岐で働けたら」といった、都合に合わせて働くオフィスを選べる制度をつくるなど、多様な働き方を提供できる環境の整備にも力を入れている。


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これがわが社の人財活用術だ
qBizが聞きたい7つの質問

 ※回答は倉橋社長。動画「仲間になるあなたへの伝言」出演は本人

 (1)即内定!ぜひ会社に迎えたい人材とは?

 私たちが手掛けているウェブコンサルティングはウェブサイトを介して、クライアントの売り上げを増やすのが仕事で、大事なことが二つある。

 まずはプロ意識。担当者が年上でもウェブの力をどのように活用すれば売り上げを増やせるのか、改善策を練り、理論立てて説明できなければならない。クライアントからウェブの分野で“師匠”と思ってもらえるような提案ができる、プロ意識を持って働ける人材を必要としている。

 問題の発見力と解決力も重要。問題に気付かなければ解決できず、問題を指摘するだけでも解決には至らない。問題を発見し、どうすれば改善できるのかを考える力が求められる。

 私たちは、ひとつの活動にのめり込んで取り組む“オタク気質”が大事なのではないかと思っている。例えば学生時代、サークル活動やアルバイト、趣味や勉強など何でもいいが、一つのことにのめり込んだ人は「この活動をより良くしたい」とか「仲間を増やすにはどうすればいいんだろう」というように、発展的に物事を考える。

 社員の中には学生時代に店長になった人もいる。単に仕事をこなしていただけではなく、お店を魅力的にすることを考えたり、人を育てたりした結果、店長を任されたのだろう。採用では、そういう経験がある人を重視している。

 (2)採用活動で一番の悩みは?

 新しい価値を創造するため、多様で魅力的な人材を採用したいと考えている。ただ、同じようなリクルートスーツを着て臨む通常の就職活動では、学生の個性が分かりにくい。どうすればきらりと光る個性がある人たちを採用できるのか、頭を悩ませている。

 私たちの事業は企業がクライアントなので、一般にあまり知られていない面もある。制作会社や広告代理店、リサーチ会社などいろんな要素があるウェブコンサルティングの面白さをどう伝えていくか。試行錯誤を繰り返している。

 (3)いま会社として一番忙しいことって何ですか?

 インターネット関連の市場は拡大を続けているが、人口減少で国内市場の伸びはいずれ止まる。そのときに備え、海外展開に取り組んでいる。

 越境EC(電子商取引)や現地ECを支援するため、2015年に台湾にオフィスを設けたのを皮切りに、シンガポールとフィリピン、ベトナムに拠点を開設した。

 台湾は、私たちが海外進出を考えていたとき、台湾で暮らすために会社を辞めた元社員が現地の学校を卒業することになり、声をかけてオフィスを設けた。フィリピンも同じような流れだ。

 海外駐在は社員にとって負担が重いため、「あの国に住みたい」という社員が出てきたことがチャンスに思えた。海外展開は大変だが、社員のモチベーションも上がっており、事業を軌道に乗せて積極的に展開を進めたいと考えている。

 海外以外にも、これまでインターネットを利用していなかった世代へのアプローチに取り組んでいる。私たちの会社は20〜30代の社員が中心。そのため、ほかの企業を定年退職した60代の社員を採用し、どうすれば「シニアフレンドリー」のウェブサイトができるのか、レクチャーをしてもらっている。

 (4)10年後、あなたの会社はどうなっている?

 クライアントのグローバル化や業態変更などに臨機応変に対応できる、柔軟な会社になっていたい。

 例えば、オンラインだけではなく、店頭にあるデジタルサイネージ(電子看板)など、オフラインの分野でもコンサルティングをしているかもしれない。クライアントへの支援領域を増やしていくつもりだ。

 (5)社員の能力開発、スキルアップのために取り組んでいることは?

 働くことの意義を考える「おとな塾」を開いている。起業した人、営業職からクリエーティブな会社に転職した人など、いろんな企業の人を招き、仕事観やこれまでのキャリアで感じたことなどを話してもらっている。

 私は会社と社員が「ウィンウィン」の関係であってほしいと願っている。社員にはスキルアップや新しい考え方をどんどん生み出してほしいとリクエストしているので、会社側も「こういう風に働きたい」とか「このように仕事に取り組みたい」といった社員の意見を受け入れていく。会社に依存するのではなく、参画意識を持つというイメージだ。「自分は何のために働くのか」を考えることで、この参画意識は高まると思う。

 (6)同業他社と比べた場合、あなたの会社の売りは何ですか?

 強みはコンサルティング、プロモーション、システム開発、制作、運用、分析・解析といったウェブにおける全てのサービスを一括して提供できることだ。「具合が悪い」と相談していただければ、診断して、原因を探り、改善策を提供する。総合病院みたいな存在でありたい。

 特に分析力を大事にしており「ヒューマナライズマーケティング研究室」という専門チームを設けているのも強みだと思う。

 (7)「働き方改革」やっていますか?

 以前は、クライアントに提出するリポートや基礎調査の資料作成、ウェブサイトのチェックなどの作業に追われ、分析にあてる時間の確保が難しいという課題があった。そこで2011年から子育てや介護のために働く時間に制約がある人たちにリポート作成などをしてもらう「メイト制度」を導入した。

 この制度を始めてから時間外労働が35%減るなど具体的な成果が出た。その後、「ペンシル イノベーション セントラル」という組織をつくり、ルーティン業務をシステム化するなど、業務改善を続けている。 通勤に伴う負担を減らすため、福岡市天神の本社とは別にサテライトオフィスを設けた。例えば、1日3時間働くパート従業員の通勤に1時間かかっていれば、効率がとても悪い。福岡市西区にサテライトオフィスを設けたところ効果があり、長崎県壱岐市にもオフィスを開設した。

 東京を含め複数のオフィスを活用した「タラワーク」という制度もつくった。「今週は壱岐で働けたら」とか「来週は東京で作業できたら」など、社員の「○○たら」を実現し、どこにいても働けるようにしたいと考えている。

 そうすると、夏休みに家族で壱岐に旅行に出かけ、お父さんはサテライトオフィスで働く、ということもできる。環境が良い場所で働ければ、家族の幸せにもつながる。壱岐がそういう場所になれば、ほかにも広げていきたい。

 私たちの取り組みをみて「好き勝手に働ける会社では」と思う人もいるかもしれないが、私は「自由と責任」という言い方をしている。会社側は働きやすい環境を徹底的に追求していくので、社員にはクライアントとの約束を守る、という責任を果たしてもらいたい。

 ※ペンシルのホームページはこちら

ペンシル
 1995年に福岡市で設立。ウェブコンサルティングが主力事業。自動車メーカーや航空会社、金融機関などとも取引し、2002年に東京オフィスを開設。台湾、シンガポール、フィリピン、ベトナムにも拠点がある。主婦やシニアなどの人材活用に力を入れ、経済産業省の「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれた。17年2月期の売上高は23億9788万円。従業員は140人。









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