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地震教訓の防災計画、車中泊に備え 九州の6県3政令市 駐車場確保や物資の配布

2018年04月17日 03時00分 更新

記者:吉田真紀

 熊本地震を教訓に、九州6県と3政令市が地域防災計画を修正し「車中泊対策」を盛り込んだ。地震当時、実態把握や対応が遅れたことを踏まえた。車中泊者が使える駐車場を事前に確保することや必要な物資の配布、エコノミークラス症候群の防止に努めることなどを明記している。

 2004年の新潟県中越地震以降、車中泊対策の必要性が指摘されてきたが、熊本地震前、九州7県と3政令市の地域防災計画には触れられていなかった。熊本地震では余震を恐れるなどして多くの人が車中泊を選び、熊本県益城町だけで一時、推定約1万250人に上った。エコノミークラス症候群の重症患者が相次ぎ、熊本市では79人の震災関連死のうち、20人が車中泊を経験していた。

 地域防災計画を修正したのは、福岡県を除く6県と福岡、北九州、熊本の3政令市。佐賀県は、大規模な駐車場を事前に調査・把握し「被災者が車上生活やテント生活に使用できるよう施設管理者と協定を締結する」と明記した。

 「情報通信技術(ICT)の活用」を挙げる福岡市は、車中泊者の情報を把握できるスマートフォン用無料アプリを企業と共同開発し、11日に配信をスタートさせた。災害時に「車中泊者が現在地や必要な物資などを発信できる」という。

 エコノミークラス症候群防止も複数の自治体が盛り込み、大分県は「避難生活の長期化による二次的な健康被害の防止」、北九州市は「注意喚起の広報や救護班によるケア」を挙げた。

 熊本市が地震当時、車中泊者数の把握に乗り出したのは、発生から2週間後だった。こうした反省から、避難所に想定される施設ごとに運営委員会を組織し「近隣の車中泊者の人数を把握する管理班をあらかじめ決める」という。福岡県も計画に盛り込む方向で、昨年5月の県総合防災訓練では車中泊も想定した。

 ただ、実践的な対策はこれから。熊本地震時に車中泊者の調査に取り組んだ北九州市立大の稲月正教授(社会学)は「乳幼児がいるなど周囲に遠慮し、やむなく車中泊を選ぶ人もいる。車中泊者が生まれる背景には、避難所の在り方の問題がある」と指摘。「避難所にできる限り身を寄せられるよう、配慮を必要とする人を基準にした避難所デザインも考えるべきだ」と話している。










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