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「福岡は独自通貨で財源確保できる」 対談:落合陽一氏×グッドラックスリー・井上社長 縮む地方、新技術の可能性は

2018年04月27日 03時00分 更新

記者:井上直樹

 井上 お金でない仮想通貨やキャラになることで、気軽に渡したり、コミュニケーションが取れたりすると思っている。

 落合 インターネットや仮想通貨の仕組みを通じて、例えば山で熊を狩って皆で分けたり、予約が取れない飲食店にグループで行ったり、みんなで体験を共有することもできる。オンラインで同じ趣味や関心の人が集まる「サロン」が生まれている。僕と交流するサロンもある。大学に寄付してくれた人を対象に見学会を開くなど、寄付や投資をしてくれる人の共感を集めることが大切だと思う。

メディアでの可能性、人材活用

 井上 ブロックチェーンの活用について、メディア分野にも可能性があると思っている。「Steemit(スティーミット)」というSNS(会員制交流サイト)があり、注目を集めている。記事を書いたり、コメントを書いたら「トークン」で報酬が支払われたりする仕組みだ。


「地方通貨にはボラタリティ(価格変動)があってもいい」とみる井上社長

 落合 例えば、仮想通貨「モナコイン」の場合は、オリジナルの「もなか」のお菓子をつくるユーザーがいた。そんな、利用者に愛されるサービスになるかどうかが、鍵になる。従来のプラットフォーマーがいるモデルと、(互いに評価や報酬を分配する)分散型のモデルがある。少なくとも視聴者数が数十万単位の地方テレビ局などは、トークンを発行して分散系にした方がいいと思う。ユーチューバーは通販や電子決済も交えることで、地方メディアより影響力がすでに大きい。

 井上 ただ、地方では圧倒的にエンジニアが不足しているという課題もある。

 落合 大企業の人材が兼業すると良い。仮想通貨が不正流出したコインチェックの問題では、セキュリティーエンジニアを雇え、という周囲の声が足りなかった。銀行などの従来の中央集権的な仕組みでセキュリティーを担った人材が、仮想通貨分野で活躍してほしい。転職よりも兼業であれば現実的に可能では。

 井上 兼業が進めば、「定年までしか働かない」という従来のモデルを壊せるかもしれない。

 落合 日本は人口減で撤退戦になる。年を取れば取るほど人口は減り、給料が下がるかもしれない。日本円だけでなく、違う通貨で電力や介護などのサービスを受領していくことが必要になるかもしれない。自分で日本円以外の価値を得ないといけない。ただ座して待っていてはいけない。


対談中もカメラを手放さない落合氏

 井上 私たちはブロックチェーンに関してトライ&エラーを繰り返していく。この技術は、すでに仮説ではなく実証する段階に入っている。現在開発中のメディア向け報酬システムでは、トークンエコノミーを、マネタイズに困っているメディアに提供していく。エンジニアがいなくても、トークンエコノミーを実現できるようにしたい。私たちが試行錯誤で得た技術、ノウハウを、地域経済へ還元していく。

※会談はグッドラックスリーが企画。西日本新聞の記者が福岡から招かれ、対談の模様を取材した。


<次ページ:2人のプロフィール>

対談した落合陽一氏(右)と、グッドラックスリーの井上和久社長









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